論考

Thesis

フェロー活動の総括として

1 フェロー活動の流れ

 私のフェロー活動のテーマは、「環境問題」「環境教育」である。
 ここで、これまでに研究、実践してきたテーマを、時系列にそって簡単にふりかえってみたい。

フェロー1年目:廃棄物・エネルギー問題を中心に、日本の主要な環境団体、市民フォーラム2001での政策研究会、ドイツ、デンマーク、日本の主要な環境先進地域などで研究実践活動を行った。

フェロー2年目:同じく廃棄物・エネルギー問題、環境政策を中心に、市役所環境政策課で3か月の研修、スウェーデンでのヒアリングを行った。これをきっかけに、環境教育機関ナチュラルステップの存在を知る。これ以降、環境教育という観点から、さまざまな手法を学ぶようになる。また後半は、日本弁護士連合会環境部会のドイツ、デンマークエネルギー調査に同行し、日本のエネルギー政策との比較を本にまとめる。

フェロー3年目:環境教育を中心に、アメリカで始まった「生命地域主義」バイオリージョンや、パーマカルチャーといった、世界的にも大きな広がりを見せている活動を研究する。またナチュラルステップ設立準備委員会に参加し、5日間のシンポジウムや基礎セミナーに参加する。また企業経営者などを対象とする10日間の「ドイツ、デンマーク視察ツアー」を企画し、好評を得た。

フェロー4年目:5月にアメリカで開催された、ナチュラルステップインターナショナルのアドバンスコースに参加する。また、6月にはデンマークの風の学校を訪問し、これまでのデンマーク調査の結果を、共著として本にまとめた。また、秋には日本環境教育フォーラムの研究に参加し、日本国内の環境教育の研究者との交流の機会をもった。

 後半は、卒塾後に向けて、インターネットなどによるニューメディアを活用した環境教育事業の準備に明け暮れ、現在も進行中である。

2 フェロー活動の成果と招来への展望

 フェロー活動の成果としては、現在執筆中のものもふくめ、以下のような以下ものがある。

本の執筆:「日本のエネルギー問題」「スカンジナビアビジョン」「環境共生型社会の構築に向けて」「コミュニティサポートアグリカルチャー 」その他外部媒体への発表。

ナチュラルステップジャパンへの参加:今年度から、環境教育としての共同事業を計画中。生態計画研究所、その他環境デザイナーとの共同事業を計画中。

 卒塾後は、民間の立場でメディアによる新規の環境教育を実践していくことになるが、これまでに培ってきたネットワークをいかし、「本当に必要な情報を」「わかりやすく」「おもしろく」少しでも多くの人に伝えることができるよう、最大限の努力をしていきたい。その時に最も重視したいことは、「自然を壊すことは、自己破壊である」というメッセージを、いかにすんなりと、環境に対してあまり興味をもたない人にも伝えることができるかである。
 これを伝えるには、新しい物理学や宇宙科学などの、最先端の知見も必要になってくる。勉強することは多いが、今後は科学者との連携を重視し、自分なりにベストだと考える新しい環境教育のモデルつくりに邁進していきたい。

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吉田裕美の論考

Thesis

Hiromi Fujisawa

藤沢裕美

第15期

藤沢 裕美

ふじさわ・ひろみ

どんぐり教育研究会 代表

Mission

環境問題 特に環境教育(森のようちえんなど)

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