松下政経塾は1979年6月21日に設立され、翌年4月に開塾した。神奈川県茅ケ崎市の2万平米という広大な土地に、本館・研修棟・寮棟・茶室・体育館が建っている。松下幸之助塾主の「民主主義発祥の地」のイメージでという希望に基づき、白亜の壁と茶色の屋根にも象徴されるように、ギリシャ・エーゲ海といった地中海風の建物で統一されている。また庭の木々や灯篭には和風庭園の趣があり、和と洋の融合によりここから新しいものを生み出すという意味を含んでいる。
アーチ門をくぐると正面に本館、右手奥に研修棟。研修棟は主に塾生の研修を行う施設であり、円卓室、教室、講堂等がある。
松下政経塾のシンボルでもある「アーチ門」のレリーフは、彫刻家・加藤昭男氏作でタイトルは「明日の太陽」。左に「力と正義」を表すひまわりを手にする男性像、右に「愛と平和」を表す鳩と女性像、その下に「困難」を表す雲を配し、この門をくぐる者はどの様な困難があろうとも「真理」に迫ろうとする構図になっている。
日本の伝統文化を体得してこそ世界に通用する国際人といえるといった考えの下、裏千家の講師の先生をお招きし、このお茶室で茶道をご指導頂く。その集大成として京都・裏千家「今日庵」にて宗家研修を行っている。
彫刻家・平櫛田中氏監修、愛弟子である浜田泰三氏制作。1989年7月、塾設立より10年後に建立された。
塾生の憩いの場。お客様のおもてなしにも使用している。飾り棚には、小説家小島直記先生のご遺族から寄贈された書物が展示されている。
もうひとつの松下政経塾のシンボル「黎明の塔」。ドームまで36メートルあり、新しい時代の夜明けを切り開く人材を育成するという設立の主旨に従い命名された。鐘は「黎明の鐘」といい、毎朝の朝会はこの鐘の音を静聴することから始まる。
施設内にはバスケットボールコート一面分の大きさの体育館と、人工芝に砂を入れたオムニコートのテニスコート(1面)がある。
ミニ国際会議場をイメージして円卓になっている。塾生の講義はほとんどこの円卓室で行われており、お互いの顔を見ながら討議する訓練にもなっている。
東寮棟は5階建15室で、定員は1室2名。1フロアに6畳の個室が4つと、共用の和室・バス・トイレ・洗面台がある。個室にはベッド・机・本棚・クローゼットがあり、1人あたり個室を2室使用している。
3食の食事をとることが出来る食堂