論考

Thesis

生徒募集が始まりました!

10月20日、これまでに学校についてお問い合わせをいただいた1200人全員に学校案内と願書を発送しました。
 「一通も帰ってこなかったりしたらどうしようね」と、創立者のマキノさんとドキドキしながら待っていたのですが、10日で50通以上の願書が返送されてきて、予想外の反響に感動しています。

 今はひたすら入学希望の子どもさんと親御さんにお目にかかる毎日です。下は6歳から上は20歳まで。日本全国から、また香港からも、面接のために親子で沖縄にやってきます。11月4日から面接を始めてすでに20人の生徒の入学が決定しました。
 面接をしていると、皆さんの教育に対する意識が非常に強いことを肌で感じます。親御さんは本気で子どもさんにふさわしい教育の場をと思い悩んだ結果、大きな決断をした上で沖縄までやってきます。生徒たちも「どうしてもこの学校に来たい!」という意思を非常に強く持っています。「この学校に来ても、資格は何も残らないですよ?」なんて、改めて確認することが失礼に思えるくらいです。
 子どもは入りたいと思っているけれども親や周囲が反対して、といったケースが多いことを覚悟していたのですが、いちはやく願書を返送してきた方々ということもあってか、そんなケースは今までに一件もありません。こちらとしては却って気が抜けてしまうくらいです。面接に来たお子さんは今のところ全員、入学が決定しています。

 親御さんの意思の確認をした上で、今度は子どもさんと二人きりで、この学校の方針について話をし、一人一人にこの学校でどんなことがやりたいのかをたずねます。最初に入学してきた時点ですぐにそれぞれの時間割がつくれるように、そしてこちらの方でもそれに対応した準備ができるように、詳しく聞いています。
 低学年の子ども達は、ほとんどの場合、目をキラキラさせて「なんでもやりたい!」と言います。中学生くらいになると、「英語が話せるようになりたい!」「コンピュータをやってみたい!」「歌や踊りをやりたい!」とやりたいことが具体的になってきます。
 「数学はどう?」と聞くと、「数学は苦手で・・。」と暗くなる生徒達も、「それだったら、得意な人にまかせておきましょう」と言うと、急にパッと顔が明るくなります。自分の得意な分野を思う存分伸ばして、自分の夢や目標を持つ中で、苦手なことも本当は必要だと思ったらその時点で始めればいい。そう思っています。実際、私も変数や微分積分を必死でやったけれども、残念ながら今は何も覚えていないし、使う機会もないのです。

 この学校に入りたいという意思と、やりたいことの確認を終え、「では、これで入学許可としましょう」と言った瞬間に、涙ぐんだり、興奮して顔を紅潮させたりする子どもたち。彼らの顔を見ていると、「本当にいい学校をつくらなきゃ!」という責任感が改めて湧いてきます。
 彼らの夢を叶えるために、できることは何でもするつもりです。

Dream Planet International School 学校概要

◆カリキュラム◆
 ひとりひとりの子どもの才能を発見し、伸ばす。その過程で人として生きていくのに必要な基礎基本を身につける、というのがこの学校の基本方針です。

 午前中は、35分の2ユニット(次頁の時間割ではFundamental StudiesⅠ&Ⅱにあたる)で日本語・英語の読み書き、数の感覚などの基礎基本を学びます。その際には学年によって学ぶ内容を決めるのではなく、その子どもの発達段階、興味関心に応じてさまざまな講座・教材を用意します。また、従来のように一斉授業の中で知識を暗記させる方式ではなく、子どもが自分自身のペースで学ぶ方法、教材を選べる方式をとります。

 午後は、子どもひとりひとりのプロジェクト(Personal Project) を進めます。自分が興味を持ったテーマを選び、計画を立てて実行する。周りの人々のサポートを得ながら子ども自身が目的、手段、実行方法を考えます。色々な体験を繰り返す中で、子どもは自分が何に向いているか、どんな才能があるかに自分で気づいていきます。そして、自分で見つけた目標を達成するためにどんな勉強、知識、知恵が必要かということがわかり、それを身につけたいというモティベーションが芽生えます。
 週に一日は「自然に帰る日」とします。森や川で遊んだり、作物を育てたり、といった自然にふれる体験を通じ、生きた知識や知恵を学びます。

 ただし、この学校はあくまでも子どもたちがつくる学校です。そして、子どもの発達の仕方はひとりひとり違います。入学してきた子どもの興味、関心、才能、能力によってカリキュラムはどんどん形を変えていきます。
 子どもひとりひとりが、自分に一番合ったカリキュラムをつくれるようになることが当校の目標です。

Curriculum Example <時間割例>

Monday through Friday <月~金> 9:30~14:30
9:30  Physical Exercises and Daily Chores  <朝のエクササイズとそうじ>
9:50  Meeting <朝のミーティング>
10:00  Fundamental Studies Ⅰ <基礎基本Ⅰ>
10:35  Free time to learn from surroundings <遊ぶ時間>
11:25  Fundamental Studies Ⅱ <基礎基本Ⅱ>
12:00  Lunch <昼ごはん>
13:00  Personal Project  <ひとりひとりのプロジェクト>
14:30  End of school  <下校>
(但し、生徒のプロジェクトが終わらないときは、保護者の同意を得てスタッフがいる限り続けさせる)

(注1) Fundamental Studies Ⅰ & Ⅱ

生徒のニーズに応じて講座を設置、学年に関わらず選択することができる。
基本的には自学自習型のワークを自分で選び、それを段階に応じてマスターしていく方式。インストラクター(教員)はサポート役となる。
生徒の希望にもとづいてグループワーク式の講座を設ける。

(注2)Personal Project

最初に将来の職業を視野に入れた目標を決め、計画を立てる。目的、方法、場所、タイムスケジュール、アウトプットを組み立て、それを実現する。一つのプロジェクトが終わるごとに次の段階に進む。

◆インストラクター(教員)◆
 子どもが自分のやりたいことをとことん追求できる環境をつくるのがインストラクターの役割です。インストラクターは子どもが自分に合ったやり方で勉強できる環境をつくり、ひとりひとりの才能の発見、気づきを手助けします。そのために子どもひとりひとりを温かい視線で見つめることができる経験豊かでユニークな個性の持ち主を集めています。
 最後に先生を選ぶのは子どもたち。インストラクターの選考の過程で子どもたちと接する機会をもうけ、子どもたちの意見をもとに最終選考を行います。
 開校前にはカリフォルニア大学のスー・ティール教授が来日し、インストラクターの研修を担当します。
 また、常勤のインストラクター以外にも、各界の第一線で活躍されている方々を講師として数多くお招きする予定です。

◆学年、クラス◆
 子どもの発達段階はひとりひとり異なるという考え方に基づき、学年制ではなく、異年齢のゆるやかなグループを編成します。このグループをホームクラスとし、担任インストラクターが責任を持って子どもたちをサポートします。
 また、選択するコースや講座によってそれぞれクラスが異なります。学年やクラスの枠にとらわれない環境の中で子ども同士のコミュニケーションが発達することを期待しています。

◆キャンパス◆
 海、川、自然に囲まれた素晴らしい環境です。天気がいい日には海や川や森が、そのまま教室になることもあるでしょう。この恵まれた環境の中で子どもたちは、生きるために真に必要な知識と知恵を身につけます。
 子どもたちにとってのキャンパスは学校の中だけでなく、沖縄、日本、世界、宇宙へと広がっていきます。インストラクターが学校と外の社会とのかけ橋となります。

◆義務教育との関係◆
 この学校はインターナショナルスクールであり、学校教育法第一条に定められているところのいわゆる「学校」ではありません。
 現在の日本の制度では、インターナショナルスクールを卒業しても中学校、高等学校の卒業資格を得ることはできません。点数や資格に拘わらず、この学校の教育内容を本当に求めている子どもに入学してほしいと願っています。

◆卒業認定◆
 原則的には15歳で中学校段階修了、18歳で高等学校段階修了とします。しかし、高等学校段階を修了する前に自分の進むべき道が見つかった場合、保護者の同意が得られれば卒業認定とします。
 最初の卒業生が出るのに間に合うように、三年後までに二年制のインスティテュートを併設する予定です。

◆スクールバス◆
 那覇市ー沖縄市ー学校間、寮ー学校間および学校ー沖縄アクターズスクール間にスクールバスが走ります。子どもたちのタイムスケジュールにできる限り柔軟に対応します。

◆寮◆
 県外からの入学者は原則的に寮に入っていただくことになります。(但し、当面の間、入寮者は12歳以上の生徒に限ります。)寮は男女別施設で1~4人部屋にする予定です。

入学審査について

◆入学審査基準◆

  1. Dream Planet International School で自分の才能を発見し、伸ばしたいという強い意思が認められること。
  2. Dream Planet International Schoolでやりたいことがあること。(後の変更は可。)

 願書が設立準備室に届いた順に入学の優先順位を確定し、順次面接を行います。面接の日時については設立準備室よりお電話で調整させていただきます。
 面接にて上記の二点が満たされれば入学許可とし、入学許可通知を郵送します。入学許可通知の発行日より10日以内に入学金をお振り込みください。

◆定員について
 入学希望者全員に入学していただけるよう、最大限の努力をしていますが、あまりにも希望者が多い場合、教育の質を保つために当分の間、定員をある程度に設定する可能性があります。その場合、先着順に確定した優先順位にもとづき面接を通過した方に入学していただき、定員に入りきらなかった方には定員に空きができ次第入学できるようにウェイティングリストに名前を載せていただくことができます。

◆入学対象年齢について
 基本的には満6歳から18歳までです。但し、定員に空きがあり、またこの学校で学びたいという強い意志が認められた場合、19歳以上の方に入学していただくこともできます。満16歳以上の方には原則として高校1年生相当から始めていただき、3年間当校に通っていただくことになります。

DREAM PLANET INTERNATIONAL SCHOOL 1999-2000 授業料
入学金  原則 200,000円
 新規入学生徒のみ入学決定時に一括でお支払い下さい。
(納入後は、理由の如何にかかわらずお返しできません。)
年間授業料 (1999年4月~2000年3月)
 全年齢共通 360,000円/年間
 一年間分一括でお支払い下さい。
施設費  全年齢共通 60,000円/年間
 授業料と一括でお支払い下さい。
教材費  ベイシックスタディ、パーソナルスタディともコース選択後、別途請求いたします。
給食費  別途請求いたします。(毎月10,000円前後を予定)
バス代  スクールバス利用者については、別途料金表を発表します。
寮費  年間 1,200,000円(毎月100,000円)以内。(食事込)
 県外からの入学生は原則入寮していただきます。
 但し、入寮者は当面の間満12歳以上に限らせていただきます。
 詳細は別途ご案内いたします。
 その他各種行事参加、公演開催等の場合は実費を頂くことがあります。

願書の請求は下記までお願いいたします。

〒900-0013 沖縄県那覇市牧志2-2-6
ファッションシティMAXY 沖縄アクターズスクール内
ドリームプラネットインターナショナルスクール設立準備室
 tel 098-861-6168
 fax 098-866-1099

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白井智子の論考

Thesis

Tomoko Shirai

白井智子

第16期

白井 智子

しらい・ともこ

NPO法人新公益連盟代表理事

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教育・ソーシャルセクター

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