Thesis
「YOSAKOIソーラン祭り」を訪ねて北都・札幌に足を踏み入れてから二日目の6月7日。昨日始まった祭りも3日間の日程の中日に差し掛かり益々盛り上がってきた。
6年前北大の学生が高知のよさこい祭りを見て衝撃を受け、南国のよさこい祭りと北海道のソーラン節をミックスした新しい祭りを札幌で立ち上げた。
札幌市内各所の会場で鳴子を両手に札幌市内・道内あるいは道外から集まったチームが踊りまくる。参加ルールは至って簡単。「鳴子を持って踊ること」「踊りの曲の中に一節でもソーラン節とよさこいが入っていること」のみ。この条件さえ満たせば誰であろうと自由参加。激しい踊りに魅せられ、去年まで観客だった人がどんどんチームを募って殺到しており、10チーム、千人の踊り子からのスタートも今年は183チーム、1万9千人まで急拡大を遂げた。
成長の秘密は「とにかく踊りを見れば解る!」の一言に尽きる。よさこいと聞けば日本的な悠長なテンポの踊りをイメージしてしまいがちだ。ところが、六本木のディスコに流れるような現代的、ノリのよいミュージックに粋な法被をまとった踊り子が札幌の繁華街の目抜き通りを100人単位で踊りまくる。「地方車」と呼ばれるトラックの上からは巨大なスピーカーとバンドがビルのガラスを震わせるほどの大音量で響きわたらせ、右翼の街宣車顔負けにチームの旗を翻す。
楽しくて楽しくてどうしようもない、そんな表情で乱舞し、全身のエネルギーを炸裂させている彼ら踊り子を見ていると、思わず私も体を動かしてしまう。周りの観客も踊りに参加したそうにウズウズしている人が少なくない。
「伝染性のダンス」と表現すればよいだろうか。しかも、踊り子は圧倒的に若い女性が多く、皆がJリーグのサポーターも顔負けのフェイス・メイクで極めている。
「無気力な若者」は決まり文句のごとく唱えられるが、ここでは若いエネルギーが爆発している。「閉塞感」「世紀末」「日はまた沈む」と腐された現代日本がしばらく忘れていたシーンがここにある!
Thesis
Naruhiko Toyoshima
第16期
とよしま・なるひこ
公認会計士・税理士
Mission
リーダーのための公会計