松下政経塾 The Matsushita Institute of
Government and Management

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1995年8月

塾生レポート

月例報告
平島廣志/卒塾生

 
 次期衆議院選挙に向けて政経塾7期生の山井和則塾員が活動を開始した。
 私もフェロー活動の合間を縫って、茅ヶ崎と京都間を往復しながらお手伝いすることになった。
 場所は京都6区といって、お茶と平等院で有名な宇治市を含む京都府南部地域である。
 大阪、奈良との府境の「学術研究都市構想」地域や近鉄線沿線の様な新興住宅地と昔なが らの農村風景が奇妙に隣あう選挙区である。

 山井和則さん自身は京都市内の出身であまりこの選挙区とは縁がない。いわゆる落下傘候 補である。
 現在のところは新進党が二世で選挙区内の日産労組をバックにした民社系の元代議士をた てているだけで、他に対立候補は自民も社会も出ていない。
 しかしもともと農村でありながら茶業組合や自治労などの労働組合が強い地域であり、今 後社会党などの動向を和戦両用のかまえで注目してゆく必要があるであろう。

 むしろ浮動票だのみの新人候補にとって厄介なのは、投票率の絶望的な低さである。
 宇治市をはじめとする京都6区内市町村の前回の参議院選挙の投票率は軒並30%台であ り、20代にいたっては17%(宇治市)という状態である。
 つまり5人に1人も選挙にいっていない。

 この様な選挙で選ばれた政治家は本当に国民の意志を代表しているといえるのだろうかと いう疑問もおきてくる。

 今年春に行われた統一地方選挙にしても参院選とあまり変わらない投票率だったとのこと、急激かつ大規模な新興住宅地の開発と大阪、京都など大都市からの人口流入により地元 の利益に拘束されない反面、地域の問題になんの関心のない層が増えたからではないだろ うか。
 こういう無関心層との”戦い”は、京都6区のみならず、今や全国的課題であるといえる 。

 京都駅から近鉄線にのって山井事務所のある大久保駅に向かう電車の中で、よく白と黒の鮮やかなチマチョゴリを着た朝鮮高校の女子生徒を見かける。

 この一帯は戦前小椋池という巨大な湿地帯だったそうで、その干拓事業に多数の韓国朝鮮 人労働者が強制的に動員されたという歴史的経緯があり、今でも宇治市などこの地域には 帰化した人も含めて在日コリアン(韓国朝鮮人)の人達が数多く住んでいる。
 戦前から何十年もの間、自分たちの埋め立てた大地で不条理な差別に苦しみながらもしっ かりと生きてきた人々である。
 かつてテレビで見た定住外国人の政治参加を求めて裁判をおこた「在日党」の代表の言葉 を思い出す。
 「選挙に行かない人を見ると、その権利を俺にくれといいたい。」

1995年8月 執筆
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