Thesis
「日本を巡る局地経済圏構想の行方に関する研究~アジア経済発展の新局面」について
(中間報告 第3回)
The interim report No.3 of *The study of prospect of Sub-Regional Economic Zones around Japan : The new situation of Asian economic development*
Khabar pertengahan tiga: *Penyelidikan di sekitar masa akan datang Daerah Ekonomi Bawah Lingkungan di sekeliling Jepun : Kedudukan baru di kemajuan ekonomidalam Asia*
<購噐壓晩云巓律議蕉何将蔀袈律議念殻議冩梢《冉巖将蔀窟婢議仟蕉中》>(及眉嶄余議烏御)
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標記の研究について以下のとおり報告する。
About the above study, I report as follows:
Di sekitar ke atas penyelidikan, saya khabar berikutnya daram bahasa Jepun dan bahasa Inggeris:
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摘要(Summary)
1 局地経済圏発生理論(試論)
Theory of the birth of Sub-Regional Economic Zones (Essay)
局地経済圏は以下の9つの諸要因を背景に形成されると考えられる。
<「地域経済圏」形成の仮説モデル>
◎市場的インセンティブ
○ 生産コスト減
◎ 政治的インセンティブ
◎ 形成推進環境
It is thought that Sub-Regional Economic Area is formed with following ninepoints for the background.
◎Market Incentive
○ Depressing Cost of Products
◎ Political Incentive
◎Environment to Promote
2 事例検証
Inspection of some cases in Asia
(1)シジョリー グロース・トライアングル
Singapore-Johor-Riau Growth Triangle
シンガポールを中心にマレイシアのジョホール州、インドネシアのリアウ州(特にバタム島)で構成した局地経済圏。最も早く始動し、成果を挙げた経済圏であり、その分、将来、局地経済圏がその形成構造的に抱えるであろう問題(ナショナリズムとマーケッティズムの衝突)を既に表し始めている。
(2)北方グロース・トライアングル
North Sumatra-West Malaysia-South Thailand Growth Triangle
インドネシア・スマトラ島北部、マレイシア北部、タイ南部で構成された局地経済圏。 シジョリーGTに比べ、生産要素の補完関係が弱い分、今後のマレイシアを中心とした国家による地域開発の拠点創りが必要とされている。
(3)東部アセアングロース・エリア
Mindanao-Sabah Sarawak-Brunei-Sulawesi Growth Area
フィリピン・ミンダナオ島、マレイシア・サバ・サラワク州、ブルネイ、インドネシア・スラウェシ島で構成された局地経済圏。生産要素の補完関係がかなり弱く、民間主導の開発は望まれず、アジア開発銀行を中心とした国際地域開発プロジェクトの様相を呈している。
その中で、最近開発中のマレイシアのラブアン島(中央政府直轄地)における金融センター(オフショアーマーケット)はこの地域の開発の拠点として注目されている。
(4) その他の局地経済圏(概観)
Others(General Survey)
中国の改革開放政策と共に興隆した2つの局地経済圏、華南経済圏、両岸経済圏、1997年の香港返還を期に変化の兆しが見える。一方、東西冷戦の終了と共に顕在化したバーツ経済圏、経済重視の国際環境の下、ますますの発展が望まれている。
(5) まとめ
Conclusion
局地経済圏を各ポイントごとに3段階に評価(優、良、劣)し一覧表にまとめると以下のとおり。
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シジョリーGT | 優 | 優 | 優 | 良 | 優 | 優 | 優 | 良 | 良 |
北方GT | 劣 | 劣 | 良 | 良 | 良 | 優 | 優 | 優 | 良 |
東部アセアンGA | 劣 | 劣 | 良 | 良 | 良 | 優 | 優 | 優 | 優 |
華南経済圏 | 優 | 優 | 優 | 優 | 優 | 優 | 優 | 優 | 優 |
両岸経済圏 | 優 | 劣 | 優 | 優 | 劣 | 優 | 優 | 良 | 優 |
バーツ経済圏 | 良 | 優 | 優 | 優 |
3 日本を巡る局地経済圏構想の行方
The future of Sub-Regional Economic Zones around Japan
取り纏め中
4 結語~アジア経済発展の今後の展望及び日本の対応
Conclusion~The prospect of Asia economic development and the correspondenceof Japan
作成中
「日本を巡る局地経済圏の行方に関する研究~アジア経済発展の新局面」
(中間報告 その3)
The interim report No.3 of *The study of prospect of Sub-Regional Economic Zones around Japan : The new situation of Asia economic development*
1 局地経済圏発生理論(試論)
Theory of the birth of Sub-Regional Economic Zones (Essay)
前月報告を参照のこと(付加分のみを示す)。
Please refer to my report of last month.
しかし、一般に自国内市場の規模の大きな国においては有効ではあるものの、市場規模の小さな国では自ずと限界がある。
その結果、一定の国際競争力を持たない時点での輸出志向型の開発政策の実施の際には、強力な輸出促進(優遇)策が採られる。典型的なものとして、シンガポールのジュロン、台湾の高雄、韓国の馬山、中国の経済特区などの輸出加工区(保税区)などが挙げられる。
ここで注目されるのが、静学的には自由貿易は世界経済の厚生を高めるということが言えるが、動学的には必ずしもそうとは言えないということだ。
なぜなら、その国の比較優位は生産技術の変化によって時代とともに変化するからだ。ただし、それには生産技術の向上のチャンスが無くてはならない。完全な自由貿易はそうした芽を摘んでしまう。戦後、一定時期続いた日本の保護主義的な政策がなければ、果たして日本の自動車産業は現在のような比較優位を得られたであろうか。
つまり、絶対優位を持つ生産要素が結び付けられる結果、それによって生産された財の国際競争力が増すことになる。ただし、実際には、海外直接投資によっても、生産要素の移動は制限される。つまり、移動費はゼロにはならない。よって、経済原則どおり、コスト逓減への方向、つまり移動費の掛かる生産要素を保有している国への直接投資が行われ、その国からの輸出が生じることになる。
移動費の無限大のものとしては土地が挙げられ、労働も社会的コストの高いものとして挙げられる。
2 事例検証
Inspection of some cases in Asia
前月報告を参照のこと(付加分のみを示す)。
Please refer to my report of last month.
(2)北方グロース・トライアングル
North Sumatra-West Malaysia-South Thailand Growth Triangle
(経済的成果:Economic Fruits)
インドネシアの北スマトラとアチェ、北マレイシアのペラ、ペナン、ケダ、プルリス、南部タイのソンクラー、サトゥーン、ヤラー、ナラーティワート、パッターニーを含む18万平方キロメートルの面積に、2200万人の人口を擁し、実質GDPは約100億ドルの局地経済圏である。
1993年に3カ国の共同開発プロジェクトとして構想が打ち上げられた。観光、交通・通信インフラ整備、資源開発等で協定が結ばれているが、マレイシアのランカウイ島(マレイシア中央政府による単独開発)における観光開発以外はまだそれ程域内開発は進んでいない。
(市場的インセンティブ:Market Incentive)
(政治的インセンティブ:Political Incentive)
(形成推進環境:Environment to Promote)
(問題点:Coming Problem)
域内の拠点としては一応マレイシアのペナンが挙げられるが、世界的レベルから見てその貧弱さは否めない。各国がそのナショナリズムを捨て地域内の利益を優先し、ペナンの機能強化が図れれるかがポイント。
また、観光の新しい拠点としてランカウイ島の開発が行われているが、近隣のタイのプーケット島との競合を排し、如何に協力して国際観光マーケットに打って出れるかもポイント。
つまり、マレイシアとタイの協力による地域内の拠点の速やかな強化がこの北方GTの正否を分けると考えられる。
(3)東部アセアングロース・エリア
Mindanao-Sabah Sarawak-Brunei-Sulawesi Growth Area
(経済的成果:Economic Fruits)
東部アセアンGAは、フィリピン南部のミンナダオ島、マレイシア領ボルネオのサバ・サラワク両州及びラブアン島、ブルネイ、インドネシア領カリマンタン及びスラウェシ島といった東南アジアに分布する他の局地経済圏と比べその広範性が特徴である。
しかも、ブルネイを除き、その他の地域は何れも辺境地であり、また、ブルネイにしても石油及び天然ガスといった一次産品に頼った経済であり、この東部アセアンGAには一次産業以外の産業は発達していない。
1993年、フィリピンのラモス大統領の北スラウェシ訪問をきっかけに始動し始めた。
特に、アジア開発銀行の主導により、マニラ、バンダルスリブガワン等域内の都市で開発に関する研究会が開かれている。まだ、具体的な動きには至っていない。
(市場的インセンティブ:Market Incentive)
(政治的インセンティブ:Political Incentive)
(4) その他の「局地経済圏」(概観) Others(General Survey)
このように局地経済圏の先駆的存在として君臨してきた華南経済圏ではあるが、中国中央政府の長江流域開発重視へにシフトから、1997年7月の香港返還後の華南経済圏の行く末を危惧する声が高まっている。
中国側の経済重視への政策転換が、未解決の政治課題を残しつつも、両岸の経済交流を増大させた最大の要因であることは疑いの余地はない。逆にこうした経済交流が両岸を対立から対話の方向へと導く役割を果たしたとも言える。事実、台湾の投資はその集中している福建省経済にとっては欠かせないものとなっているし、台湾の対中輸入制限の結果生じる年間250億米ドルにも上る対中貿易黒字はその対日赤字を補って余りあるものとなっている。政治的不安定さを越えた経済的相互依存度は確実に上昇している。現在、両岸の経済交流の拡大の相互開発作用の一つとして、台湾が香港返還以降の香港の機能代替を狙って高雄に貿易センターの構想を計画している。
今後、この成功のために、台湾当局は「三通」解禁という政策転換に迫られるだろう(既にその兆しはみせている)。「三通」解禁に、一層地理的取引費用の逓減が図られ、特に台湾・福建省といった地域的レベルの経済は急速に一体化が進むであろう。地域的な経済的繋がりは地域の安定を一層保障するであろうが、ただし中国国内の中央・地方の関係如何によっては、この地域的安定イコール中台の関係の安定とは必ずしも言えない事態も想定される。
バーツ経済圏の成立は当初、タイと隣国との貿易取引を中心とする市場指向的な特徴を示していたが、1991年のカンボジア和平協定調印以降の和平の到来はインドシナ地域へのタイからの投資を活発化させた。ただし、まだ、タイとその周辺諸国の労働賃金格差がタイからの海外直接投資を進めるほどのインセンティヴとなっておらず、当面はこれまでの市場志向の経済的繋がりを引き続き強めていく動きが続きそうだ。
しかし、ヴェトナムの石油やメコン川の水資源(ラオスの水力発電、カンボジアの淡水魚等)、各国特徴のある観光資源といった生産要素の補完性は存在しており、こうした生産要素を志向する資源加工型の産業や観光業といった分野の投資は増加している。バンコクをハブとする各都市への航空路も整備されつつあり、また、陸路についてもメコン川を渡る橋が整備されたり、雲南とシンガポールを繋ぐ鉄道の計画があるなど、地域内の移動費も改善されつつある。また、タイ族、華人・華僑、小乗仏教などを媒体とする民族的文化的な繋がりも緊密なものがある。 また、バーツ経済圏は政治不安定なミャンマーをその内に抱えており、経済優先の緊密化が地域の安定、ひいてはミャンマー国内における政治の安定化に繋がることも期待されている。
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9)シジョリーGT 優 優 優 良 優 優 優 良 良 北方GT 劣 劣 良 劣 良 優 優 優 良東部アセアンGA 劣 劣 良 劣 劣 優 優 優 優華南経済圏 優 優 優 優 優 優 優 優 優両岸経済圏 優 劣 優 優 劣 優 優 良 優バーツ経済圏 良 優 優 良 優 優 優 優 良(注)(1) 生産要素代替:Supplement of Factors of Production (2) 地理的取引費用の逓減:Depressing Cost of Trade (3) 民族・文化的繋がり:Cultural and Ethnic Relationship (4) 市場拡大効果:Magnification of Market (5) 相互開発作用:Effect of Mutual Development (6) 地域の政治的安定:Regional Political Stability (7) 辺境地開発:Development of Frontiers (8) 政治の経済化:Political Change to Point to Economic (10) 日本を巡る局地経済圏の行方 The future of Sub-Regional Economic Zones around Japan 取り纏め中 (日本における局地経済圏構想) (成功への道) (11)結語~アジア経済発展の今後の展望及び日本の対応 Conclusion~The prospect of Asia economic development and the correspondence of Japan 作成中
~以上~
Thesis
Koya Takahashi
第15期
たかはし・こうや
Executive Vice President, Panasonic Energy of North America
Mission
企業経営、管理会計、ファイナンス、国際経済