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1995年4月

上尾市の全国初合併請求署名運動
黒田達也/卒塾生

 
この4月1日にいよいよ「改正市町村合併特例法」が施行された。今まで自治体の長しか有していなかった市町村合併協議会設立の発議権が住民にも開かれ、有権者の1/50の署名をもって合併対象自治体の長ならびに議会に対し協議会設立を発議できることとなった。早速、統一地方選の終った翌日の4月10日より、埼玉県上尾市の市民グループ「上尾・伊奈の政令指定都市を実現する会」が同法を適用すべく、近隣4市1町(与野、大宮、浦和、上尾の各市と伊奈町)の合併協議会設立発議のための署名運動を展開した。

この署名運動の実質的な中心人物は、上尾青年会議所の星野理一氏。「実現する会」の幹事長を務め、会長に商議所会頭の北西兵造氏を引っ張り出した。直接請求に必要な署名数は3119(有権者数は15万6千人、ちなみに人口は20万4千人)。ところが、25日には6100もの署名を集めて選挙管理委員会に提出した。その後、署名は選管の正当性チェックを経て、上尾市長に提出される。市長は合併対象のすべての首長にそれぞれの議会に付議するかを打診。全首長が是認した上で、全議会が議決して始めて合併協議会が設立される。さらに協議会がまとめた市町村建設計画に県議会の議決がなされ、初めて合併が成立する。

心地大宮市に指導権を握られるのを懸念、北端の上尾市と伊奈町を除いた3市で一先ず合併し、その後上尾市らを合併することを提案した。この「2段階合併論」に危機感を抱いたのが星野さんらであった。「埼玉副都心には1万5千人の人が働く。彼らは上尾に住み、我々は下水道や学校などの費用負担だけ負わされる」。2月には、仙台市泉区と塩釜市を訪れ、政令市に入るのと入らないのではこんなに発展が違うのかと実感したという。こうしてこの署名運動が行なわれたのであったが、上述の流れでわかるように、浦和市ら3市が議会に、上尾市からの合併協議会設置の直接請求を付議するとは考えにくく、前途は多難なようである。

 ここで、この合併協議会設立請求の署名制度の問題点をいくつか指摘したい。第1に、リコールなどの署名もそうだが、署名に捺印が必要な点だ。そのため、駅頭で署名活動することは困難で、組織的に集めざるを得ない。第2に、1/50という比率だ。1万人の町ならたった200人の署名で済み、逆にいうと周辺都市からの合併のための策謀を受けやすい。第3に、住民発議後は対象自治体すべての長と議会の合併合意という高いハードルを超えねばならず、そこに住民投票などの入る余地はない。発議権は住民に開かれても最終決定はあくまで議会でというのが今の制度の流れである。

いうことである。そのために現在月1度開いている熊谷JCの「エリア会議」にて、大里地区の合併可能性について検討していきたいと思う。

1995年4月 執筆
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