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1998年1月

政党はどこへ行く?
黒田達也/卒塾生

 
 今回は、今後の日本の政党の行く末について考えます。
 55年以来、ほぼ一貫して政権を握っている自由民主党ですが、「食える」こと、世 界に「追い付き、追い越す」ことを目標に、中央集権かつ国家統制的な政策運営をして きました。官僚が時代の先を読んで、人、モノ、カネを鉱山、鉄鋼、電気、自動車へと 集中投下し、富を地方や労働者に分配することでその目的をほぼ達成しました。しかし、 73年のオイルショック以降、日本は低成長時代に入り、自民党は予算の分配権と巨大 な官僚組織を維持するために、赤字国債を出し続け、いつしか国民全体が「食える」こ とより、自分たちの組織が「食える」ことを優先するようになりました。そして、低金 利政策に支えられたバブル経済の下、政府も企業も自分の実力を勘違いし、無駄な公共 投資に加え、過剰な不動産や株の投機を繰り返しました。

 90年から始まったバブルの崩壊により、株式市場の低迷、金融機関の不良債権問題 等の抜本的解決がなされぬまま、日本経済は底なしの不景気に突入しております。橋本 行政改革は省庁再編に留まり、財政改革もすでに軌道修正を余儀なくされています。結 局、政・官・業の癒着による利権構造(自分たちの組織を「食わせる」ための安定した 構造)を自ら切り崩すことはできないことが明らかになったわけです。

 そこで、新「民主党」は、中央集権に対しては地方主権を、国家統制的政策(過剰な 官僚規制)には市場重視の政策(規制緩和)を掲げ、民間と地方、市民(NPO)が自 由かつ主体的に活動できる社会の実現を目指すことでしょう。小沢氏の自由党は、さら に急進的な市場重視の政策を掲げつつ、民間、地方、市民などの個性よりも国家的秩序 を重んずる考えでしょう。旧公明勢力は、弱者救済と国際平和を掲げ、内外での競争的 社会への移行の中で独自の役割を果たすでしょう。共産党は、弱者救済を掲げる一方、 党組織内が統制的である限り、勢力拡大には限界があるでしょう。

 結局、自民党に共通な目的は利権維持にあるので、政権を手放せば、文字通りに、自 由党派(国家的秩序を重んじ、統制的、梶山、亀井等)と民主党派(民主的ネットワー クを重んじ、連立調和的、加藤、山崎等)に分裂し、そこで初めて日本における2大政 党制の素地が完成するでしょう。その日が早く来るように、全力を尽くして行こうと思 います。

1998年1月 執筆
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