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1997年12月

何で景気が悪いのか
黒田達也/卒塾生

 

今回は自分なりに不景気の理由と対策を考えて見ます。まず第一に、国民の皆さんが国や地方の赤字を自分(または子供達)が背負っているという自覚が出てきたということです。これは本来素晴らしいことなのですが、将来の年金や医療保険があてにならない(少子高齢化の影響も大)、税金も上がっていくだろう、だから今はお金を使わずに貯めておこうという流れになり、モノが売れなくなっています。

第二に、銀行の貸し渋りです。来年から銀行などの金融機関は国際競争の波に洗われる(国際的に約束してしまっています)ようになりますが、そのとき、資産(貸付金と土地や建物など)に対してどのくらいの割合で資本(自前の資金)があるか(自己資本比率という)が信用の基準になります。そこで貸付を圧縮して自己資本比率を高めようという動きを大蔵省の指導のもと各社がしているわけです。ですから、(私を含め)皆さんになかなか銀行はお金を貸してくれないわけです。

第三に、バブルの崩壊の余波です。バブル崩壊で株で200兆、土地で300兆、実に国民全体が一年間働いて稼ぐ額(国民総生産)と同じくらいの資産が無くなったわけです。あの阪神大震災の被害総額が10兆円と言われていますから、あの地震が全都道府県で起こったと考えて下さい。そう簡単に立ち直れるものではありません。

最後に、これが最大のガンだと思いますが、バブル崩壊後の8年間に88兆円ものを政府はやってきましたが、何をやってきたかといえば飛行機の飛ばない農道空港、車の走らないスーパー林道、入植者のいない干拓事業、利用者のいないコンベンションセンターなどを造って税金をドブに捨ててきたわけです。そのツケが今回ってきているわけです。

そこで私の考える手ですが、個人消費、民間投資がダメなのですから、公共投資と外資導入しかないわけです。公共投資は、今までのようなバラマキでなく、環都論(10月月例報告参照)のような21世紀への夢と産業振興の起爆剤になるようなものへ集中投資する、外資導入は規制緩和でトイザらスやシティバンクに来てもらう、これをセットでやれば景気は一挙に回復すると思います。2兆円や6兆円の減税幅で争うことに国民はしらけています。ただ金を国民にばらまくのは政治の無策さを露呈しているように思えます。みなさんはどう考えますか?

1997年12月 執筆
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