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1997年10月

環都論(首都機能環状分散論)の提唱
黒田達也/卒塾生

 

私は地元にて明治維新以来の大事業である遷都(首都を移すこと)を単なる公共事業に終わらせないため、環都論(首都機能環状分散論、私の造語で都心から70~100km程度の同心円上に省庁を分散配置し、間を高速交通情報網でネットワークしようというもの。関東平野一円が首都エリアとなります。)を提唱しております。以下、手短に説明したいと思います。

96年6月に国家等移転法が成立し、2000年に新首都決定、2010年に新首都で国会を開くという計画が決まっておりましたが、昨年5月に橋本首相の財政構造改革との整合性をとるため、新都市建設着工は2003年以降に延期されました。しかしながら、那須(栃木)、東濃(岐阜)など9地域が誘致にしのぎを削っており、昨今の財政改革より景気対策という流れから遷都決定は時間の問題です。

私は明治維新以来の大事業であり、財政的にも厳しい中、約20兆円ともいわれる公共投資をやる以上、21世紀の日本に夢を与え、産業振興にも役に立つ構想でなくてはならないと確信しております。首都の一ケ所への遷都は、神戸の例もあるように防災上問題があります。また、朝鮮半島や中台関係の情勢を考えても、国の重要機能が一ケ所に集中するのは防衛上のリスクが高すぎます。そこで、まとまった良好な住宅地が確保され、すでにある程度の交通インフラの整った関東エリアに省庁を環状に分散配置し、間を高速交通網(リニア新幹線と低料金高速道路)と高速情報網(低料金高速デジタル回線)でネットワークさせるのがベストだと考えます。
関東平野一円が首都エリアとなって住宅や通勤問題が解決され、また遅れている情報インフラ(ケーブルテレビの普及率は米国の10分の1)整備の起爆剤にもなります。行政内部のやり取りもデジタル化(TV会議や電子決済)され、国民は役所に行かなくても申請等が可能となります。行政情報がすべてデジタル化され、情報公開も進めやすくなります。もちろん、財政に配慮して、地方に点在する既存の余剰公共施設を利用して、出来るだけコスト削減に努めます。そして、ネットワーク化、デジタル化が可能となれば、次に地方分権に進んでいくことも可能となります。ここ県北部もその環状部に位置し、豊かな自然環境と都市機能を兼ね備えた21世紀のモデルエリアになっていくことでしょう。

1997年10月 執筆
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