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実践活動報告~教育格差是正にむけた就学前の取り組み~

実践活動報告~教育格差是正にむけた就学前の取り組み~

二年間の基礎課程を終え、三年目の実践課程を迎えることになった。現在、ふるさとである大阪府の茨木市を中心に自身のテーマの探求を行っている。
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 「もっと早い年齢からの支援があればいいのに…」
 
 教育格差是正に向けて取り組んでいる現場で良く耳にした言葉である。なぜそのような言葉が良く聞かれるのかと言うと、就学前の取り組みが子どもの非認知能力(学習意欲や労働意欲・努力・忍耐力)の形成に大きく関係しているからである。その証左の1つとして、就学前の段階での取り組みがその後の人生(高校進学率、大学卒業率、持ち家率、平均所得など)に大きな影響を及ぼすことが指摘されている。まさに「三つ子の魂は百まで」という諺通り、就学前段階での取り組みが重要であると言える。
 
 就学前の取り組みが子どもの非認知能力(学習意欲や労働意欲・努力・忍耐力など)を高めるということは、就学前の取り組みいかんによって、その後の支援や制度の効果を高めることにつながるのである。また、非認知能力を形成する重要な時期であるにもかかわらず、この時期の子どもへの関与は各家庭に強く依存しており、また家庭以外のアクターが強く関与しにくいことを踏まえると、ここに大きな教育格差が隠れていると言えるのではないだろうか。
 
 上記の点から、「教育格差の是正~就学前段階における取り組みの必要性~」をテーマに実践課程を行っている。実際の活動としては、地元の大阪府茨木市に戻り、就学前における子ども(家庭)の状況を把握する活動と就学前におこなわれている教育の現状を知る活動を行ってきた。
 
 前者で言えば、大阪府におけるひとり親家庭などの様々な家庭の生活の現状を知るために関係各所からヒアリングを行い、また、実際に親御さんからお話を伺う活動を行ってきた。後者では、保育園や幼稚園、主に大阪で行われている子育て中のお母さんの居場所作り活動を見学・ヒアリングを行ってきた。ただ、ここでは幼児教育自体を考察するよりも幼児教育の現場と親との関係や、親や家庭教育に及ぼす効果を調査している。未就学児は家庭で過ごす時間が多いために家庭での取り組みが重要であることは言うまでもないが、家庭のみが子育てに携わるのではなく、子育てサロンやつどいの広場といったコミュニティが母親の精神面の支えとして、また、幼稚園無償化などの制度が金銭面のサポートとして必要であると痛感している。 
 
 今後は、子育て中の親を支えたり、子育ての学びになる地域コミュニティがさらに機能するための考察を進めていく。また、大阪市が5歳児の幼稚園無償化の取り組みを今年度からスタートさせたこともあり、大阪市の事例の研究等から1歳児や3歳児からの無償化の実現可能性も考えていきたい。

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