活動報告

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実践活動報告~日本財団×ベネッセ 子どもの貧困対策プロジェクト 子ども達のわくわくが溢れる場所に(4)

実践活動報告~日本財団×ベネッセ 子どもの貧困対策プロジェクト 子ども達のわくわくが溢れる場所に(4)
実践活動報告~日本財団×ベネッセ 子どもの貧困対策プロジェクト 子ども達のわくわくが溢れる場所に(4)
実践活動報告~日本財団×ベネッセ 子どもの貧困対策プロジェクト 子ども達のわくわくが溢れる場所に(4)

私は、日本財団と(株)ベネッセの共同プロジェクトに参画し、大阪府箕面市において現場マネージャーとして活動中である。今回のレポートでは、私達の拠点で力を入れている‘わくわくたいむ’について説明する。
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わくわくする時間を毎日提供
 
 私たちの拠点では、子ども達に豊富な体験の機会を提供する、わくわくたいむという時間を設けている。みのおスタッフは、元ミュージシャンで音楽に秀でている人や、元M-1出場者で漫才が好きな人、ベトナムでの勤務経験からベトナムをこよなく愛する人など、それぞれ好きなものを持っている。
 そのようなスタッフの持ち味を活かして、子ども達の好奇心を育みたいと考えている。好きなことをしている時、人は心からわくわくしている。そして、その楽しんでいる様子は周りによく伝わる。わくわくする気持ちは人を感化する力がある。このようにわくわくたいむとは、スタッフのわくわくが子どもの伝播する時間である。
 この取り組みの目的は、子ども達が自分の好きなものを見つけることである。子ども達が好きなことに夢中になるパワーは計り知れない。大人には区別できないモンスターや妖怪のキャラクターを、子どもは簡単に覚えてしまう。そして、興味があることに取り組んでいる最中に思い通りにいかないことが出てきても、子ども達はそれを嫌なこと・困難なこととあまり思わない。むしろ、子ども達はそこに一種の楽しみを見出すのである。そして、楽しみながらのチャレンジは、やり抜く可能性が高い。このようなできた!の積み重ねは、さらなる挑戦の意欲を生むのである。
 
 以前のレポートで述べたように(実践活動報告~日本財団×ベネッセ 子どもの貧困対策プロジェクト 理念作成編 前編(2)~ 
この取り組みの背景には、子どもの物事に挑戦する意欲の低下がある。家庭の事情により、物事にチャレンジすることができない子ども達は少なくない。挑戦することができないということが続く場合、子ども達は何かにチャレンジしよう!という意欲をなくしてしまう。しかし、意欲はすべての源である。そのために、意欲の格差は将来のあらゆる格差を生んでしまう。
 わくわくたいむは、意欲格差をなくす取り組みである。豊富で多様な体験を子ども達に提供し、そして、その中から子ども達が好きなもの、関心があるものを見つけ、その結果、子ども達が好奇心をもってどんどん探究していく。拠点が子ども達のやってみたい!楽しい!が溢れる場所にしていきたいと考えている。
 
わくわくたいむの内容
 
「わくわく福笑い」「一眼レフ体験」「ロールキャベツづくり」
「元ミュージシャン・まいけるの打楽器ってなんだ?」
「わくわく漫才~M1王者は君だ~」「みんなで作ろう、フォンダンショコラ」
「スウェーデンのクリスマスパーティ」「心理士タバティのこころのお天気」…
 
 これは、わくわくたいむの企画一覧である。音楽、カメラ、漫才、お菓子作り、ベトナム体験と言ったように、ジャンルは多種多様である。そのため、「今日のわくわくたいむはなに~?」が、子ども達の口癖になっている。子ども達に多様な世界を見てほしい、視野を広げてほしい、そのような思いでスタッフはわくわくたいむの準備をしている。もちろん、どれだけ大人が力を入れても、子ども達に響かない時もある。また、強制ではなく任意参加の形式をとっているので、参加したくないときはそのまま自由遊びを続けてもいい仕組みを取っている。それにも関わらず、子ども達は「今日のわくわくたいむはなに~?」と毎日問いかけてくる。
 ここで一例として「一眼レフ体験」を簡単に紹介する。これは、子ども達に写真の世界の楽しさを感じてもらうために、カメラ好きなスタッフが企画したわくわくたいむである。この企画は毎回扱うテーマが異なり、例えば、明度がテーマの場合、明るさを調節しながら写真を撮影する。そして、子ども達が撮影した写真をプロジェクターで見ながら、明度の違いによる写真の違いを感じてもらう。この企画は彩度編、構図編などと複数回のシリーズものである。最終的には子ども達が写真を撮るときに、様々な点を考慮しながら写真撮影ができることを目標にしている。
 
 私たちはわくわくたいむを通じて、子ども達の生き抜く力を育みたいと考えている。生き抜く力とは、①子ども達のやってみようという気持ち、②選択肢の中から選ぶ力、③チャレンジしていることを振り返る力、④仲間と協力する力、⑤最後までやり抜く力、を総称したものである。この力こそが貧困の連鎖を断ち切る力であると私たちは考えている。引き続き、子ども達の生き抜く力を育んでいきたい。
 
今後の取り組みについて
 
 これまで説明させて頂いたように、現在のわくわくたいむは、スタッフのわくわくを子ども達に伝える時間である。スタッフがわくわくたいむを企画し、必要なものを準備し、子ども達に提供するという流れになっている。しかし、今後はこれに加えて、子ども達自身がやりたいというものを探求できる時間にもしていきたい。これはプロジェクト型学習と呼ばれているものであり、私たちの拠点ではわくわくプロジェクトと呼んでいる。そして、このプロジェクトの成果を保護者に見てもらうイベントを現在企画中である。この発表の日に向けて、子ども達一人ひとりが料理やお菓子作り、楽器の演奏などを日々練習している。もちろん保護者には発表内容は内緒である。どのような会になるのか、また、プロジェクト後の子ども達の表情を、私たちは今から楽しみにしている。これからも、子ども達に豊富な体験を提供しながら、自分の好きなものを探求できるわくわくたいむを提供していきたい。

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Susumu Yamamoto

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第35期

山本 将

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