Thesis
政治において環境問題を扱うことは、様々な問題の背景を探ることに繋がる。日本の安全保障を広く考える場合、表面的に軍事的な対策をとるだけでは不十分であり、様々な紛争を引き起こす問題の根本的な解決に向けての努力が必要となる。
また、環境の悪化は食料生産量の低下を引き起こし、これが貧困、さらには飢餓へとつながる。インド西部からパキスタン、アフガニスタン、そして中東へと続く地域は乾燥地帯であり、基本的に人々は厳しい自然環境のもとで生活している。このような地域においての環境保全、自然回復事業は、農業・放牧を中心とする人々の生活基盤の保全、回復に直結する。日本にも影響を与える地域紛争を予防するために、環境保全、回復事業に投資することは、意味がある。
この問題を根本的に解決するためには、石油エネルギーへの依存度を下げることが一つの道筋となろう。そのためには、風力、太陽エネルギーといった新エネルギー源の開発を積極的に推し進め、多様なエネルギー源をバランスよく持つ必要がある。脱石油エネルギー、そして新エネルギーへのシフトは地球環境を守るためだけではなく、アジア地域の人々の平和と安全をはかる上でも大きな意味がある。
そしてこうした取り組みは地球規模で考えなくてはならず、そのためにどのような投資ができるのかを考えることが、日本独自の安全保障戦略に繋がっていく。
Thesis
Dai Harada
第21期
はらだ・だい
Mission
地域通貨を活用した新しい社会モデルの構築 環境配慮型社会の創造