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隣近所が外国人住民の時代も目の前です。今年度の実践活動では、日本人と外国人住民の関係作りにも取り組んでいます。
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みなさんは、埼玉県川口市に外国人の集住団地があることをご存知でしょうか。ここは、蕨駅から徒歩8分。蕨市との市境にある芝園団地です。芝園団地の人口は約5千人。その内、2千人以上が外国人住民です。特に、中国人住民が2千人を超える、日本で最も有名な団地の一つです。
今後、芝園団地のように、隣近所が外国人住民となる時代も間近です。しかし、地域住民としての日本人と外国人は、疎遠になりがちです。一方で、災害時などに助け合える関係も必要な筈です。そこで、お互いに顔の見える関係作りを目的にしたイベントを企画して、私は外国人住民に対するお手伝いの依頼など、イベント参加者間の調整に携わりました。
このイベントは、アジア国際交流イベント“芝園にぎわいフェスタ!”と銘打って、2014年10月、11月の合計4日間で開催しました。イベントのテーマは、地域住民の『コミュニケーション』です。
これまで、日本人と外国人住民の交流は、ほとんど無いに等しい状況でした。芝園団地商店会は、地域住民同士が顔の見える関係を育むこと、商店会に足を運んでもらい地域の活性化を図ること、という2つの目的でこのイベントを開催しました。
イベントでは、舞台とブースを用意しました。舞台では、中国人住民の子どもたちによるコーラスがありました。子どもたちの一生懸命な姿に国境はありません。その可愛らしい歌声や夢中になって踊る姿は、芝園団地の高齢者に無限大の元気を与えてくれました。
ブースでは、芝園団地自治会による折り紙教室や餅つきなど、日本の伝統文化が披露される一方で、中国人住民による家庭の味ワンタンや中国の伝統的な遊びも披露されました。食や遊びを通じた交流は、お互いの心の距離をグッと縮めることも実感しました。
また、王子国際語学院に通うベトナムの留学生からは、伝統食“フォー”やベトナムの故郷を想う歌、恋の歌も披露されました。芝園にぎわいフェスタは、小さいながら日中越の多文化交流の機会にもなりました。
そして、イベントのテーマ『コミュニケーション』の仕上げは、キャンドルナイトです。これらのキャンドルは、地域住民による手作りです。このカップにメッセージを書いてもらい、イベント終了後、好きなキャンドルを持ち帰れるようにしました。これらのメッセージは、地域住民同士の『コミュニケーション』の証となりました。
様々な背景を持った人々が、地域住民として居住空間に暮らしていると、きれいごとだけでないと痛感します。やはり、文化や生活習慣の違いを実感する機会も多いのです。しかし、同じ時代に同じ時間を同じ場所で共有しているのも事実です。このキャンドルは、お互いを尊重しながら暮らしていきたい、という想いを込めた祈りの灯なのです。
当日の映像は、http://www.youtube.com/watch?v=UZ7ke6ck-F8 をご覧下さい。また、Youtubeで『芝園にぎわいフェスタ』をご検索頂くと、その他映像もご覧になれます。
今年からは、チーム芝園の学生の発意による、『芝園かけはしプロジェクト』を始動させる予定です。私たちは、小さな一歩を踏み出したばかりです。この小さな歩みを、周囲の方々と協力しながら継続することが、誰にとっても住みやすい街につながると信じています。
最後に、芝園団地商店会平井久朗副会長のお礼と閉会の挨拶を紹介します。
『芝園はすばらしいまちです。芝園は外国人にもやさしいまちです。そして、芝園はみんなの“ふるさと”です。これからも地域が一体となって、この芝園を盛り上げていけたらいいなと思います。』
そう、芝園団地がここに住む全ての人たちの、心のふるさとになることを祈って。
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Hiroki Okazaki
第33期
おかざき・ひろき
Mission
「ゆるやかな共生」にもとづく「隣近所の多文化共生」