松下政経塾 The Matsushita Institute of
Government and Management

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1996年7月

塾生レポート

政策的世代交代の必要性
平島廣志/卒塾生

 
 「信無くば立たず」の言葉で有名な故三木武夫総理の私邸は、渋谷区南平台の高級住宅地 にある。
 渋谷駅から歩いて数分の立地にあり、周囲には豪邸や在外大使館などが点在している。
 私邸そのものは現在、三木武夫記念会館として改築され、まだ一般には公開されていないが、元総理の書や縁の品々が睦子夫人の陶芸などと一緒にギャラリーとして展示されている。

 今回は、その三木元総理のお孫さんで立(たつ)氏(27)を中心に都議会議員の手塚よ しお氏、寺山としお氏などをはじめ、主に首都圏の地方議員や次期衆議院選挙立候補予定 者などが集まり政策集団を立ちあげることになった。
 全員20~30代の政治家や研究者ということで、行財政改革や福祉問題など今日的課題 を中心に政策案を討議している。

 民間シンクタンクにつとめるサラリーマンからさきがけや旧社会党系列の市議会議員まで 様々な立場で皆それぞれ発言するのであるが、一部安全保障の問題などをのぞいて不思議な程、皆、問題意識は共通しているのである。
 赤字財政や将来の国民負担率の増加、年金制度の崩壊などどれもこれも議題の中心になる のは将来世代につけを回しつつ、現在を非効率な行政と無駄な公共投資に明け暮れる今の 政治に対する危機感である。

 ちょうど高齢化率が頂点に達するといわれている2015年にはここに集っている人々の 全員が40代後半から50代という、いわば社会の第一線で働いていることになるが、こ のままいけばやがては財政の破綻を遠からず招き、年金は雀の涙ほどしかもらえず、失業 率の上昇と老人人口の増加は社会補償費の高騰を招き、国民負担率と高い家賃を併せて月 収の7割以上が消えるという生活が待っているかもしれない。

 臨時国会が召集され再び選挙対策として補正予算の大判振る舞いを連立与党がすることに でもなればまた再びそのつけを将来に回すことになる。政治と官僚、そして業界の「鉄の 三角形」が生み出す癒着構造は今でも確実に日本をむしばみ若い世代の老後や今の子供た ちの人生までむしばんでいると言える。

 今回の衆議院総選挙には、私の知人・友人も数多く立候補するようだが、是非とも単なる 若さを売り物にするだけの世代交代では無く、真に次の世代にどのような「日本」を手渡 すかという視点にたった、いわば「政策上の世代交代」を実現するために死闘を勝ち抜い て欲しいと思う。

1996年7月 執筆
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