「知って欲しい福島の現状」フォーラム

内田直志塾生（第31期生）

昨年の震災ボランティアでご縁をいただいた福島市内の果樹農家、渡辺さん、福島市議会議員、大内さんのお二方にお越しいただいて、福岡県筑紫野市で「知って欲しい福島の現状」と題したフォーラムを行った。
東日本大震災から一年がたったが、当時と比べると震災関連の報道も少なくなり、被災地以外では震災のことが記憶から薄れつつあるのではないか。特に西日本、九州は東北から遠く離れていることもあり、他人事であることは否めない。しかし、それはある意味仕方のないことだろう。

また、実際に福島に足を運んでみて実感することだが、メディアによる報道は決して十分ではなく、目を、耳を疑う事実も多くある。以上を踏まえて、是非地元福岡の方々には、今なお被災地で苦しい生活を送っている人たちがいることを知って欲しいと思い、今回のフォーラムを企画させていただいた。支援を期待するものでもなく（してくれれば嬉しいが、福島の問題は難しいので容易にそれは言えない）、また、原発賛成、反対を唱えるものでもない。まずは現状を知って欲しい。そしてそれは専門家の意見ではなく、被害にあった当事者の生の声を聞くことで知って欲しい。その思いだけのフォーラムだった。

当日は約100名の方に来場いただき、フリーディスカッションも含めて2時間の内容だった。フリーディスカッションやアンケートからは「被害を受けた方から実情を聞けて良かった」、「今後何ができるか考えていきたい」、といった意見や、「専門家の話がなく、またどういう支援をしてほしい、ということを言わなかったために聞いている方は不完全燃焼だった」、などのご意見をいただいた。翌日は渡辺さんがみやこ町の農業をみたいと申し出てくれたので、それではということでみやこ町の農家さんも交え、交流会を行った。そこでは今後も福島と、みやこ町と交流を続けましょう、特に農業関連で交流をしていきましょう、という話になった。是非、息の長い交流を続けていき、福島を応援していきたいと思う。