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問題の本質

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松下政経塾

2011/4/1

内田直志塾生(第31期生)

久慈市にある国家石油備蓄基地を見てきました。ここは地下岩盤にトンネルを掘ってそこに原油を貯蔵する、地下岩盤タンク方式の施設です。地下の原油には被害はないようですが、地上施設は壊滅状態でした。石油の安定供給、緊急時の放出が望まれる施設でしたが、今回の大津波では緊急時放出はできませんでした。また、福島県では津波の被害で原子力発電所が大きな被害を受け、電力の安定供給どころか、周辺住民、海洋への放射能汚染という最悪の結果を招きました。

日本はエネルギー資源の少ない国です。そのため国は多くのエネルギー施策をうってきました。平時においてはうまく機能し、我々国民もその恩恵に浴してきました。
しかし、今回の震災でその施策は脆く、特に自然災害という有事に対して最悪の事態を引き起こしうるものだ、という事実を我々国民に突きつけられました。誰に責任があるのでしょうか。その施策を決めた国にあるのでしょうか。あるとしても国だけにあるのでしょうか。エネルギー施策の恩恵に我々も浴してきました。おかげで24時間いつでも電気を使え、いつでもお湯を使える生活を送ってきました。また、その国の運営を担う代表者を決めたのは我々国民でもありました。
したがって、今回の震災で明らかになった国のエネルギー施策、防災施策の課題を国だけの問題にすることは、天に唾を吐くようなものではないかと、自問自答しています。恩恵の裏には必ず犠牲がある。それが自分の目の前から隠されているならば、自らその覆いを探し、めくり、直視する努力をしなければならない。それには多くの労力が必要ですが、幸いというべきか、被災地では大小問わず、その覆いが流され問題の本質があちらこちらで明らかになっています。時間がたてばまた覆いが戻り、本質が隠されてしまいます。日頃見えにくくなっている問題の本質を被災地でよく見て、これからの復興について考えていきたいと思います。

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