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福岡県京都(みやこ)郡みやこ町における活動

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松下政経塾

2012/7/1

内田直志塾生(第31期生)

現在、福岡県京都(みやこ)郡みやこ町で活動をしています。活動テーマは「過疎対策および地域経済の活性化策の研究」です。過疎化の原因は一次産業の衰退、特にみやこ町においては農業が衰退しているという仮説のもと、活動をしていましたが、過去を振り返ると必ずしもそうではないようです。
みやこ町は北九州市の南に位置して、車で約一時間ほど。みやこ町は農村なので、その意味で主産業は農業なのですが、北九州市をはじめ、苅田市や行橋市などの工業、商業市が隣接するため、兼業農家が主要な生活基盤です。当然戦前までは農業が主産業だったことは疑いがありませんが、北九州市に重工業が生まれ、発展するに従って、農業は生活の足しに、という側面が強くなっていった。つまり、戦後において農業に生活基盤をおく、という意味で農業が主産業になったことはないようだ、ということです。

それでは今後はどうか。もし、これからも農業を兼業としてとらえるならば、その農業を担う人はみやこ町から減っていき、ますます過疎化は止まらないだろうと思います。
私個人の経験に即して言えば、祖父はこの町で生まれ、育ち、今に至る。父はこの町で生まれ、大学で町を離れ、今は東京にいる。私は福岡市で生まれ、横浜で務め、今に至る。統計として語ることはできないが、祖父の代は農村で、父の代で都会に出て、自分の代は都会で生まれ育ち、田舎を知らない人が増えているのではないだろうか。そして今や、父の代は団塊の世代として定年を迎えつつあるが、果たしてどれだけの人が再び故郷に戻るのか。更に、私たち、田舎を知らない世代が祖父や、父の故郷に戻るという選択をするだろうか。

この流れのままならば、農山村の過疎化は止まらないだろう。そして、農村が兼業のままの農業を選ぶならば、父の代、特に私の代は農村に住む理由を見いだせず(当然農山村が好きだという理由で住みたい人はいるだろうが)、農村に人が回帰する好転を期待することは難しいのではないだろうか。やはり、農村に人が戻るには、農村にしかできない仕事があり、その仕事が経済的に魅力的である必要があるのではないか。逆をいえば、それを見出せない限り、日本の農業の衰退も止められないだろう。農業の衰退と、農村の過疎化の進行は表裏一体ではないだろうか。以上のことを考えると、みやこ町は今後農業を本当の意味での主産業とする必要があるのではないか。農業で生活を支えていく、という方針に転換してそのための基盤づくりを進めていくべきではないだろうか。
初めは漠然と過疎問題を研究していたが、今は農業問題に核心は移り、その仮説が正しいのか、みやこ町の方々に意見を聞いて回った一か月だった。さまざまな意見をいただいたが、概ねの意見としては、みやこ町の農業を振興すべし、というものだった。今後はそれをどう実現するかについて研究を進めていきたいと思う。

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