論考

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月例報告

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1995/10/29

去る11月と12月は韓国と中国を往来しながら両国の今の状況を説明する象徴的な事件に会うことが出来た。韓国の場合は今も進んでいる過去清算という名前で行われている元の二人の大統領に対する司法処理の問題が、そして中国の場合はダライラマと共にチベトの活佛と言われるパンチェンラマ11世選出式をめぐる問題がそれである。

この二つの事件は今の韓国と中国の問題、具体的には政治のことで一番懸案であることが何かを見せるいい例になると思われる。周知のように韓国は45年解放以後、国作りの方法で大統領制という一人の強力なリダシャプによって漢江の奇跡と呼ばれる急速な経済成長を達成することが出来た。しかし、この反面 不足な資本を集めて世界に進出する過程で、それを支援する立場にある韓国政府は欧米が今行っている自由競争に基づく民主主義的な方法より非民主主義的な政策によって国作りに力を入れた。すなわち労働三権の無視と税金減免を通じる一方的な財閥支援、そして軍隊式の命令体制等と、典型的な開発独栽が韓国の近代化と現代化を同時に解決するための唯一の信念で認識された。それは勿論、短期間で高能率と高成長、そして日本打倒という国家的な目標を同時に達成するための一番早い方法であった。

しかしこのような論理もキリシャのシザ゙と織田信長のように一番側近による暗殺という不幸な事件による朴大統領時代が終わってから状況は急に変わった。30年ぐらい抑圧された民主主義の欲求が国民の間で一瞬噴出されたことである。それが79年である。元の全とロウ、二人の大統領はその時、軍隊の核心的な軍人で朴大統領からも認定された軍部のエリトであった。悲劇はここから出発され、同時、暗殺事件捜査を進む途中で二人を合わせる若い将軍達は軍人特有の責任感と国家意識に基づいて国家の運命を既存の政治家には任せることが出来ないという結論に一致した。力の真空の中で合法的なクデタによって第5共和国が誕生した。2、26に比肩する事件がわずか15年前に行なわれたことである。そして韓国の軍事政権の歴史は87年の始めの完璧な民主主義的な選挙でロウ氏が全大統領に続いて6共和国の大統領に選出され、軍事政権はまだ続けて行くことが出来た。同時3金で代表される政治家は互いの意見分裂によって独自出馬、結局ロウ氏が魚夫之利でロウ氏が大統領に選出された。80年から93年までの期間は軍事政権による統治は前の朴大統領のように経済成長に集力、民主主義をめぐる国民の政治的な欲求とは大きな距離があった。

当然、学生のデモと全部口で話しきれない時局宣言文等がこの時代外信に見える韓国の普通のイメジであった。今現在金大統領が二人の元大統領の逮捕の理屈で国民にアピルしているのがその統治期間の時の反民主主義にかんするすべてであり、そして80年 政権を取る時発生した光州事態の責任者として処罰ということである。しかしこの事件に会って、問題点で思い出すのは歴史の審判という名分で過去の間違いに対する無差別的な処罰であり、これはもう一つの政治的な報復の印象が深いということである。そして 今国民からの弱い支持を挽回するために金大統領が自ら事件を拡大したという印象である。勿論来年の総撰と97年の大統領選挙に会っての金大中孤立化ももう一つのねらいである。結局今韓国で行われる過去清算ということも政治家で30年生き延びた金大統領の高度の政治的な狙いに間違いないことだと感じるのが世論である。

過去清算に関しての1%国民的な合意に基づいて、どんな方法で問題を解決するのか?金大統領の今の判断はほんとの政治家(statemen)ではなく、感情と目の前の利益しか見えない普通の人間としての国家政策を処理したという未来歴史家の評価を受けることになると思われる。いつも過去の問題のよって未来のビゾンを喪失している韓国。過去の問題は金大統領が普通の市民に戻ってからももう再演することになるとおもわれる。

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