松下政経塾 The Matsushita Institute of
Goverment and Management

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2021年1月

共同研究

社会保障研究会「セルフケアを実現する社会への提言 ~ 健康に生きるために必要な地域医療のあり方 ~」
髙橋菜里/卒塾生     馬場雄基/卒塾生     宗野創/松下政経塾第41期生

松下政経塾では、期(学年)の垣根を越え、1年生から4年生が共に、1年間を通して主体的にテーマ設定から活動計画・実践を行う場として「研究会活動」という研修があります。2020年度は、自治体経営研究会・外交安全保障研究会・社会保障研究会の3研究会が立ち上がり、現地現場で研修を行ってきました。私たち社会保障研究会は、人々の幸せのための社会保障制度を探究するべく発足し、「セルフケア」をテーマに学びを深めました。これまでの学びの総括を、報告レポートとしてまとめましたので、ご高覧ください。

 

松下政経塾 社会保障研究会
「セルフケアを実現する社会への提言」要旨

 日本の医療費は増加の一途をたどり42.3兆円(2015年)、48.8兆円(2020年)、57.8兆円(2025年)と予測されている。医療保険制度という世界に誇る資源を維持し次世代へと繋いでいくため、私たちはセルフケア・セルフメディケーションの考え方が重要であると考える。現在、セルフメディケーション税制の導入や、スイッチOTCの推進といった政策が始まっているが、影響力は限られている。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い逼迫した医療体制や、DX時代を乗り越えていくために、抜本的な改革が急務である。

 そのような認識のもと、当研究会では身近な健康相談という形で専門的知見のサポートができる、セルフケアの伴走者として薬局に注目した。
 薬局は現在約6万とコンビニをしのぐ店舗数がある。政府からも「患者のための薬局ビジョン」が打ち出され、かかりつけ薬局化が進められている。
 私たちは、政府のビジョンに対し
①薬剤師の健康相談機能が不全 ②多機能化による薬局の負担 ③薬局の適正数 ④診療報酬の点数配分 ⑤医療従事者間の連携不足 ⑥住民の未病対策への意識の低さ といった課題を指摘し、その上で、「住民のための薬局ビジョン」を提唱する。
 具体的には、提言A薬局改革(1.健康相談基盤薬局と健康サービス薬局を整備2.診療報酬の相談業務点数化3.病院システムを軸とした患者情報システムの一元化)と提言B制度改革(1.病院の予約制の強化2.スイッチOTC区分の明確化をはじめとした評価検討会議ビジョンの明確化3.消費者に分かりやすいOTC医薬品表示の明確化とセルフメディケーション税制の修正)である。

 以上によって、薬局を未病・健康管理を含めた地域住民の相談相手としてのファーストコール機能を強化する。その結果として、地域での健康相談窓口のハブを作るとともに、薬局サービスの多様化で潜在的な住民の健康関連ニーズの掘り起こしを図る。その先に、住民一人ひとりが健康意識の向上を図り、ひいては日本の医療保険制度を持続可能なものとしていく足掛かりとなると考える。



社会保障研究会「セルフケアを実現する社会への提言(PDF版)」ダウンロード

2021年1月 執筆
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