論考

Thesis

「選挙違反110番」へありがとう!――千葉政経塾の活動から――

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松下政経塾

1996/12/29

◆市民オンブズマン活動として

 「小選挙区制度により、より巧妙に有権者を取り込むやり方が横行するに違いない」「 金権千葉を船橋から変えよう!」「ルールを守れない候補者に、21世紀の日本の舵取りは 任せられない!」。 こんな思いから、昨年4月に開かれた千葉政経塾主宰の市民オンブズマン公開セミナーで知り合った私たちは、9月28日に「船橋市民選挙オンブズマン」を設立した。私たちの活動は、新聞各紙に取り上げられ、10月2日には5紙(朝日、読売、毎日、産経、東京、千 葉日報)、7日には2紙(朝日・読売)、16日には毎日(夕刊)全国版へ「市民の目キラリ ……」として報道された。

 そこで「実りある選挙活動を期待し、市民の情報提供による、市民監視の選挙戦」を合 言葉に、先の総選挙で行ったわれわれの活動を報告する。

◆活動の記録

1)選挙違反110番の開設

(1)開設期間:10月3日~20日、

(2)受付方法:(a)電話(10時~16時)、(b)FAX(24時間)と し、期間中、約65件、一日平均4件の連絡があった。その多くは違反ポスターに関するものだったが、中にはバスツアー企画やお土産付き演説会、お金の配付などに関するものも あった。

2)違法ポスターの写真撮影と街頭PR活動

土曜・日曜を中心に、違法ポスターの写真撮影を実施した。さらに、10月6日、12日、1 8日の三日間、津田沼駅北口で手作りののぼりを立て、ビラの配付とマイクによる訴えと「こんなにある、違反ポスター」展示を行った。

3)違反行為に関する各陣営への申入れと、NTT・東京電力などへの通報

寄せられた情報をもとに、違法とみられるものについては各人へ改善要求をした。また 、電柱所有者へも通報したが、鈍い反応しか得られなかった。

4)選挙管理委員会・警察・新聞各社への連絡

寄せられた情報は新聞各社へFAXで送る一方で、特に悪質と思われるものについては、警察や選挙管理委員会へ通報した。


◆振り返って

 今回の活動を通じて、市民の監視の目が少しずつ広がってきていることを感じるととも に、ルールを守ることの大切さ、公職選挙法の課題などを痛感した。たとえば、候補者同 士が議論する立合い演説会やきちんとした取り締まりの実施などはぜひ行う必要がある。  今後も金権選挙を告発する調査とともに、行政を監視する市民オンブズマン活動を継続 しながら、市民本位の開かれた行政の実現に向け運動を続けていきたい。(加藤新一郎)

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