活動報告

Activity Archives

製造実習報告書

松下政経塾ロゴマーク

松下政経塾

2007/8/31

 松下政経塾の一年生のプログラムの中では、いろいろな現場実習があるが、今回は製造実習ということで、私達は8月30日から9月12日までパナホーム株式会社本社工場へ行った。パナホームというのは松下電器産業から独立した家を作る会社だ。本社の第3工場では私は四日間Fバルコニーというところでバルコニーのパネルを作った。そこで、パテを埋めたり、テープを張ったり、釘を打ったりシーリングしたりした。その後は、実際のラインに入って、NESTシーリングというところでコーキングした。実は、製造実習は初めてだったので、初めは体力的にも精神的にも大変だったが、だんだん作業すればするほど、楽しくなってきて、勉強にもなった。

 今から思えば、製造実習の成果がいろいろあったと思う。一つは私の製造に関する認識を新たにできたということだ。私が最初の日から一番感動したのは第3工場の職員の人の仕事への専心だった。皆は長い時間でも、細かいところまでパネルの質をつねに確かめていて、素晴らしいと思った。それは、私のお客さんとしての認識に大きな影響を与えたと思う。大体、前は、買い物する時など、製品の値段を見て、高く感じたが、その製品を作るためにいろいろな人が遅い時間まで働かなければならなかったという認識ができて、今は値段が高いのは当たり前だと思う。物の価値がより見えてきた。そして、八日間工場で実習してから、私が毎日使っているものはいろいろな人の努力のおかげだと認識できた。前は日常生活で使っているものをもちろんのことと思ったが、今はこの物に対して、ありがたい気持ちを持たなければならないということが分かった。

 そして、一般に言えば、この実習を通して、日本の製造業の強さをよく感じることができた。70年代と80年代の経済の好況に製造業は大きな役割を果たしたといつも聞いていたが、今回の実習を通じて、この製造業の力に初めて気づいた。その時、もう一つ、感じたのは、仕事での専心、そしてお客様への献身は日本の特性かもしれないということだった。日本の製造業の力はこの日本的な特性をうまく活かすところにあると思う。

 この実習を通して、もう一つ感じたことがある。それは工場の職員の人の生活が非常に厳しいということだ。毎日、毎日残業が多いし、作業も体力的にきついので本当に大変な生活だと感じた。その時、思ったのはもちろんお客様のために頑張らなければならないが、職員の人の生活水準を守るのも大事だということだった。このように、工場の経営では、お客さまへの献身と職員の人の福祉の間に、どうやってバランスが取れたらいいのかは本当に大きい課題だと思う。これから、まじめに考えなければならない事柄だと考えてきた。

 最後は少し哲学的だが、この実習を通して、ものを作るというのはやっぱり人間の特性だと感じた。協力して、材料をうまく使って、様々な物を作って、そして社会の繁栄に貢献できるのは人間の一つの素晴らしいところだと今回思った。けれども、人間にとって大事なのはものづくりを通して、社会の繁栄に貢献するだけではなく、環境も守ることだ。やっぱり、製造業は環境保存に大きな役割がある。私は製造活動というのは自然を離れている活動だというイメージがあったが、製造実習をしてから、それはまったく違うと気づいた。製造業も自然そして地球を尊敬しなければならない。ですので、「エコライフ住宅」というパナホームの基本的な考え方は非常に素晴らしいと思った。やっぱり、製造業の将来の成功の要諦は環境にやさしい製品を作るところにあると考えてきた。

 このように、パナホームの第三工場では普通はなかなかできない体験をして、いろいろ考えさせられた。私は将来にどこで働くのをまだ決めていないが、今回の製造実習にはいろいろな役に立つ教訓があると考えているので、この体験を忘れずに先へ進めて行きたいと思う。

Back

関連性の高い活動報告

Resarch Update

松下政経塾とは
About
松下政経塾とは、松下幸之助が設立した、
未来のリーダーを育成する公益財団法人です。
View More
塾生募集
Application
松下政経塾は、志を持つ未来のリーダーに
広く門戸を開いています。
View More
門