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この度、今年の春より取り組んでいる茶道実習の総仕上げとして、裏千家にて宗家研修を実施させていただいた。未熟者である私どもを快く受け入れていただいた鵬雲斎大宗匠、坐忘斎御家元、中島宋基業躰先生、中村宗右業躰先生、奈良宗久業躰先生、そしてお付き添い頂いた紺谷先生、加藤先生、合わせて茶道会館、茶道資料館の方々に深く御礼申し上げる次第である。宗家にて数日に渡って研修をさせて頂き、加えて宗家拝観、茶道資料館の見学、学園での講義、懇親会、大徳寺拝観という貴重な機会を頂戴できたことは身に余るような光栄であり、生涯の思い出になるものであった。茶道を学ぶ知人らには、大変にうらやましがられたこの経験を、自分だけの中で完結させることなく、多くの人々に伝えていければと思う。
実技研修においては、茶道の実技に加え、それぞれの業躰先生から感慨深いお話を頂いた。手元がおぼつかない私にとっては業躰先生から実技の御指導を頂けるだけでも有難いわけであるが、それに加え、茶道、そして人生全般に生きる学びを頂いた。中でも印象的であったのは中島宋基業躰先生から頂戴した、型についてのお話である。茶道という型を身に付けることによって、人生の型を捉えることができる。そして茶道という道をしっかり歩むことが出来てこそ、政治という道に立てるのではないか。リーダーとなる人間には、型を身に付け、人々に道を照らすことが必要だと教えを受けた。政治への志だけで突っ走っていた自分自身の心の緩みを指摘されたようで、顔から火が出るような思いであった。
政経塾に入塾して以来、いや自分自身の人生の中でも幾度もない、稀有な感覚を覚えた時間であった。御軸にあった主人公という言葉、一生忘れることはないであろう。まずは主人公となること、重く受け止めたいと思う。
宗家拝観、資料館見学、大徳寺拝観を通じて感じたのは、その伝統の重み、加えて発展の経過である。千利休が表現した「和敬清寂」という茶道の精神。時代は流れてもその精神は脈々と生き続けている。伝統を保つ、歴史を守り続ける、これは言葉にすれば単純ではあるが、並大抵のことではない。先人の努力には頭の下がる思いである。
「温故知新」これまで理解していたつもりでいた言葉がこれほどの重みを持つこととは。
想像を超えた深みを持つ日本の伝統精神に敬意を払うとともに、改めて日本を背負うべく政治を目指す人間として、大きな示唆を頂けた研修となった。関係各位には重ね重ね御礼申し上げる次第である。
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Satoshi Takamatsu
第25期
たかまつ・さとし
(前)練馬区議会議員