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先般の関西研修は、私にとって非常に貴重な体験ができた研修となったと思う。塾主がどのような人物であったか、また何故に松下政経塾が存在するのか、そして政経塾生の使命とは何であるのか、そういったことを改めて深く考えさせられる機会となった。
塾主についてはこれまでも書物等によって研究を重ねて、ある程度は理解していたつもりであった。しかしいざ自身の足で墓参し、ゆかりの地を訪ね、関係者のお話を伺うなかで、また新たな発見があったように思う。最も強く感じたのは、塾主の人間味、いうなれば人間松下幸之助とはどんな人であったのか、ということである。関西研修に出かける前までは思想家としての塾主が強く印象に残っており、それが塾主への尊敬の念につながってはいたものの、どこか神様のように遠い存在のように思っていた。しかし関西研修の間に塾主の人となりを理解するうちに、塾主のいうなれば人間くささを感じるようになった。これによって塾主をより身近に感じることができたように思う。塾主が存命であれば今の日本をどう表現するのか、そして私自身にどのような言葉を掛けるのか、そういった思いを馳せながらの充実した関西研修であった。
中でも最も印象に残ったのは、塾主がPHP活動を研究してきた、いわば聖地である真々庵での時間である。塾主の愛した庭を歩き、根源の社、白庭を拝見していると、神聖な心持ちになるとともに、塾主の社会への憂い、日本への強い思いが私自身に強く伝わってきたように思う。いかにすれば日本、そして世界が繁栄するのか、そして人間とはどんなものであるのか。塾主の思想を慮るなかで、提唱された新しい人間観についてもまた一段と深く考えさせられた次第である。
その後、お茶を振舞っていただいた際の掛け軸にあった「開花21世紀」の言葉、昭和54年の塾主の書初めにあたる書であるわけだが、この言葉の持つ意味とは一体なにであるのか。これこそがこの政経塾の存在を考えるに外すことが出来ないものであると私は感じた。21世紀を繁栄の時代とし、日本を楽土とするために社会を変革するリーダーを養成することが政経塾の存在意義であり、塾生はその使命のためには命を懸けて塾主の想いに応えていかなければならない。そして私自身においては必ずや政治の道で目指す社会を実現すべく、自らの目標を再確認できたとともに、その使命の重さに身震いする思いである。
将来、卒塾して議員になった暁には、再度真々庵を訪ね、根源の社にて参拝をさせて頂こう、そして日本、世界の発展のために思考をめぐらせる時間を頂こう、塾主の想いを受け継ぐ一人の人間として精一杯日々を過ごし、社会を前進させていこう、そうしっかり心に誓って真々庵を後にした。
今回の研修で感じたものを忘れることなくしっかりと心に刻み、自らの血となり肉となるように、今後の研修に邁進したい。入塾してから、あっという間に2ヶ月が経とうとしているが、1日1日を無駄にすることなく、常在戦場の心意気で自らを厳しい環境に追い込み、さらなる成長を遂げていきたい。
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Satoshi Takamatsu
第25期
たかまつ・さとし
(前)練馬区議会議員