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岐阜県可児市出身。一橋大学社会学部卒業後、三井住友信託銀行に入行。世界中の女性が等しく能力を発揮し活かせる社会、異なる文化・価値観を持つ人々が共存、共栄できる平和で豊かな社会の実現を目指すべく入塾を決意。現在は、Support for Woman’s Happinessで事務局長を務めながら、ラオスの女性達の自立支援に取り組む。
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私は2018年4月からご縁により「Support for Woman’s Happiness」という、ラオスの女性達の自立支援を行う団体の事務局長に就任することになった。団体では「世界の女性達が、自分らしく自分の人生を生きる事」をビジョンに掲げ、必要な自立支援や職業訓練支援を行っている。2018年度の前半は、モノづくりに集中して女の子達の指導をしてきた。Agatisと共同で布ナプキンを作ったり、(株)CANと手毬アクセサリーの花蓮てまりを作ったりと色々とラインナップを増やしてきた。そしてその製品を取り扱ってくれる店舗を日本で見つける営業活動も合わせて行ってきた。しかしモノづくり以外にも女の子達の別の可能性を広げたいと思っており、2018年度後半から着手することに決めた。
2018年度の後半からは職業訓練の中にモノづくり以外にも、ラオスの女の子達の個性や能力に合わせて語学学校の通学支援や、マッサージの指導などを始めた。ラオスは元々フランスの植民地であったことからも、フランスをはじめとするヨーロッパ各地から観光客が多く(最近は中国、韓国も多い)、マッサージ店が多い。マッサージ技術を身に着けることは、彼女たちが今後自活して生活する際の基盤になる可能性を十分に持っている。マッサージを学んだ子の中には、知的障害が若干あると思われる子もいて、他の女の子達と比べると学びも遅く、何度も先生に指導を受けながらそれでも懸命に学んでいた。最後の認定試験の時、合格したと聞いたその子は思わず泣きだした。高校を出ていない彼女にとって、何かを学び、それを習得できたと目に見える形で評価されることはかなりの自信に繋がったと確信した。
また語学学校支援では、JICAが運営している日本語学校に通学させていただけることになった。私たちと関わることで、彼女らが初めて見た「通訳」という仕事に憧れを持った女の子が数名おり、その子達が自ら名乗りをあげて日本語学校に通うことになった。高校を卒業していない子も多い中で、集中力の問題や日本語への興味関心の度合いが推し量れなかったので、様子見として一番通う回数が少ない、入門コース(3ヶ月間、土日のみ)を選択した。一度も休むことなく通った彼女達は、もっと学びたいと進級試験をパスして、初級コース、平日の夜、週三回通うコースに進級することができた。この日本語学校はラオスの大学の中にあり、通っているクラスメイトは大学生や社会人などが多い。普段障がい者施設で出会う人以外知り合う機会がほとんどない中にあって、この学校に通うことは、日本語以外にも多くの機会や刺激を彼女達にもたらしていると考えられる。実際に新しく友達もできたようであった。
ラオスで活動してみて感じているのは、人が自分らしく自信をもって生きていくためには、何かに挑戦して「できた!」という小さな成功体験を積み重ねること、それが大切なのだということだ。人が自分一人だけで変わることは絶対に不可能だ。変わるためには、何かに挑戦したり、新しい情報に触れたり、色んなジャンルの人と新たに知り合う「機会や選択肢」を持つことが必要である。私はラオスで女の子達が持つ可能性をもっと広げていくために奮闘していきたいと思う。
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Rika Kawamoto
第37期
かわもと・りか
Unixbloom代表