松下政経塾 The Matsushita Institute of
Goverment and Management

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Alumni
1999年7月

塾報

どこまでも原点に忠実に
中田宏/卒塾生

 中田宏塾員(衆議院議員。松下政経塾第10期生)の「万縁(まんえん)の会」は日本では育たないといわれてきた個人献金で政治資金を募ろうとしている。その規約には「会員は個人的頼み事を一切しない」とある。「議論なきところに良策なし、議論なき国家に未来なし」を信条とする彼に、その政治活動について聞いた(甲斐信好)。

 
―― ユニークな活動を徹底してやっていますね。
 すべて「何のために議員になったのか」というところから発しています。私は今の日本に公憤があって政治の世界を志しました。その原点にこだわり「意見をちゃんと言える立場」をつくりたい。「この団体の不利益になることはできないな」というしがらみの結果が今の諸問題をつくりあげていると思うのです。企業献金は個人献金に比べると集めやすいし、組織も業界べったりで今在る組織にのる方が楽です。でも、それをやっているとどこかで自分の判断が狂う時が必ず来る。だからお金は個人単位で集めたい。
 後援会も上からではなくて、一人一人の理解者を通して下から築く、そのようなスタイルを広めていきたい。もちろん、まだ満足できるような状態ではありませんが。

―― 「無所属」という選択も同じような考えですか。
 私が無所属になったのは新進党が解党したからでした。私は政党の意味を否定するものでは全くありません。しかし自分の意見を組織の中では言えない事も多いでしょう。私は党に所属していた時から、党議決定であっても自分が確信をもてること、たとえば整備新幹線にははっきりと法案に反対してきました。政治家が自分の見識で、自分の胸に手を当てて、社会を変えていくことが大事なのです。「わかっちゃいるけど行動できない」では政治家ではない。社会は変わらない。それを誰かが実践しなければならないと思います。

―― 理想が揺らぐことはないのですか。
 不安になる事はしょっちゅうあります(笑)。この6年間、平日の朝は駅頭で演説を続けています。夜中まで仕事をして終電で帰宅する。時には「明日はやりたくないなぁ」(笑)。でも「毎日やるというルールを決めておいて良かったな」と思う。1日サボれば、2日サボるようになるのはすぐです。私は「強い」のではなくて「逃げ場を自分で閉ざしている」のです(笑)。

―― よくいろいろなアイデアが出ますね。
 それは発想が逆です。世の中を変えるには、自分でモデルをつくるしかないのです。「環境が変われば私も変わります」では駄目。野茂やイチローなどこれまで誰もやらなかったことに挑戦した人が出て、そのモデルを見て子供も「僕もこうなりたい」と思うわけでしょ。新しい世の中を創っていこうとする政治家も同じです。国民の前に「これでどうですか」というのを提示するしかないのです。

―― なるほど
 おかしいことはおかしいと言える素人の感覚と、玄人としてきちっと国会で議論することの両方を大切にしていきたい。塾生の時、松下政経塾は「人材」ではなく「人物」を養成するところだ、と教えられました。それに恥じない政治家を目指して行きたいと思います。

1999年7月 執筆
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