松下政経塾 The Matsushita Institute of
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Column
1996年4月

塾報

熟考・東アジアの安定
前原誠司/卒塾生

 
 沖縄の理解なくしては日米安保の存続はありえない。与党3党の外務・防衛両調整部会議で外交・防衛案件を検討し昨年11月に沖縄入りして、その意を強くした。沖縄県の面積は日本の0.6%にも関わらず日本の75%の軍事施設が集中している。宜野湾市は普天間飛行場など同市の3分の1、嘉手納町にいたっては83%が米軍基地だ。県民の我慢も限界にきている。数年かけて少なくとも普天間飛行場返還を実現するための方策を検討中だ。

 一方、沖縄の基地の存在は東アジアの国際軍事戦略上きわめて重要だ。米国には有事の前線投入部隊である海兵隊が3部隊あり、そのうち2つを米国の東西両海岸に、もう1つを沖縄県に置き、17,648人の海兵を持っている。これは沖縄が地政学的に重要であり、東アジアの安定に一定の効果をもつ証左である。

 最近渡米した際に、キャンベル国防長官補代理から言われた言葉は痛烈だった。「日本と米国はイコールパートナーではない。米国は日本が他国から攻撃を受けたとき援護するが、米国が他国から攻撃を受けたとき日本は米国を援護しないからだ」。日本の安全・アジアの安定のために日米安保をどう位置づけ、今後どのような枠組みを作り、わが国がどのような役割を果たすべきか。朝鮮半島情勢など予断を許さない東アジアに位置する日本に、待ったなしの議論が必要だと思う。


1996年4月 執筆
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