活動報告

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100KM行軍を終えて

1、はじめに

 10月19日(木)から10月20(金)にかけて、三浦半島一周の100KM行軍に挑んだ。この精神、肉体の限界に挑む研修について書きたいと思う。

2、事前準備

 100KM行軍は班を編成して歩行する。わが班は、班長の杉本塾生、意志の強い石井塾生、独特のキャラクターで周囲を圧倒する小山塾生、そして私の4名である。事前準備として、班の仲間で40KM、35KMと2回の歩行訓練を行った。準備の目的としては、100KM完歩に向けての基礎体力の養成と眠気に耐えうる精神力を養う為である。一回目の訓練では、京急線の三崎口付近から政経塾までの40KMを歩いたわけであるが、政経塾までの残り5KMあたりから足が上がらなくなっただけでなく、どうしようもなく足の裏が痛くなってきた。歩いた後、考えた事は「100KMを本当に歩けるんだろうか」だった。体力には自信があったし、歩く事や走る事には慣れていたつもりが、いささか不安になってしまったのを鮮明に覚えている。2回目の練習では、自分自身が眠気にどれだけ耐えることができるかという観点で練習を行った。前日、2時間睡眠で訓練に臨んでみた。23時から歩き始めたが、0時をまわったあたりから急に眠気が襲ってきた。35KM歩き終わるまでまだあと6時間近くあると思うと正直気が萎えてきた。目をこすりながら、そしてふらふらしながら狭い歩道を歩く事は精神的にも肉体的にも正直疲れてしまった。しかし、この2回目の練習では大きな自信を得る事にもなる。なぜなら、歩き終わった後に、足の疲労がほとんど無かったからである。この2回の訓練を通して、個人的にはこの難行に向けて自信を持つことができた。今考えると、この事前準備があったからこそ、同志と協力しながら歩くことができたし、かなりの好タイムで完歩できたのではないかと思う。

3、いざ出陣!

 この難行にあたり、私は一句詠んだ。「いま一歩 心を定めて 道ひらく」である。この研修を通して挑戦したかったことは、疲れた顔を見せず、弱音を吐かずにゴールすること、もう一つは一緒に歩く同志と協力し助け合い、心のゆとりを持ってこの難行を楽しむ事であった。つまり、先輩方の経験から気持ちが萎えそうになるといわれている70KM地点からが自分との戦いであり、その地点からゴールまでをいかにして自分を律して歩くことができるかに研修の意味を見出していた。

 朝9時、職員の方々、塾生一同が政経塾本館に集合し出陣式を行った。恒例の塾是、塾訓、五誓を全員で唱和した後、一人ずつ宣誓を行う。私は、台の上から「どんな困難があったとしても心を乱すことなく完歩する。」と宣言した。

 そして10時、班毎にアーチ門に整列し出発した。ここから40KM地点までは、気温が高かった為、暑くて歩きづらいと思った事以外は正直何も覚えていない。おそらく、適度の緊張感と無意識にこの先の長い道のりを考えないようにしていたのだと思う。鮮明に記憶にあるのは、足に大きなマメができた40KMからだと思う。このあたりから、日も沈み、歩きやすい気温になってきた事を覚えている。この地点では、政経塾の職員の方から飲み物の差し入れを頂いた。普通の飲み物のはずがいつもよりおいしく感じられた。時間の関係上、すぐに50KM地点へ向けて歩き始めた。足に疲労がたまってきたものの、ペースは予定よりハイペース。この先を考えると、いささか不安であったが体力があるうちに距離をかせぐ為、5KMを50分で歩くというペースで浦賀生協まで急いだ。浦賀生協では、夕食を取りながら、いつもより30分程多く休憩を取った。ちょうど、私の班が出発する頃に後続の班が到着し、健闘を誓い励ましあった。50KM通過以後、歩くリズムは安定してきたものの、班の全員の口数が少なくなってきた。この悪い状況を打破してくれたのは、インターン生の藤井さんとトン汁と果物を振舞ってくださった八百屋さんではないかと思う。新しい風が吹き込んだかのごとく、藤井さんの登場によって、全員明るくなった。また、途中八百屋さんで食べ物だけでなく、暖かい心を頂き、全員元気を取り戻した。とはいうものの、さすがに足の筋肉が硬くなり、さらに足の裏に激痛が走るので、一旦気持ちを持ち直したとしても、会話が少なくなってくる。そこでみんなで元気を出すために、大きな声で色んな歌を歌った。時には、小山塾生が変わった歌を歌い始めたりするなど、足の痛みが激しくなっていく中で、痛さを忘れるほど楽しく歩くことができた。

 この研修で忘れることができないのは、先輩方のサポートだった。いつもは厳しい先輩方。しかし、この時ばかりは人間の本当の優しさを感じた。疲れた足を丁寧にマッサージしてくれたり、飲み物がなくなると急いで届けてくれたり、文章では表現できないほどの温かみを感じた。と同時に本当に政経塾の先輩、後輩というものは素晴らしいものだと心から思った。

 70KM以後は、リーダーの正確な時間配分もあり、楽に乗り越えることができた。そして、朝日が昇り、湘南海岸、富士山を横目に見ながらすがすがしい気持ちで政経塾まで帰り着くことができた。

 この研修を通して、私は再度政経塾で研修ができることのありがたみを感じることができた。切磋琢磨、感謝協力をする場所と時間を与えて下さった、松下幸之助塾主には本当に感謝したい。政経塾の素晴らしさは、先輩、同志と切磋琢磨し本当の人間のあたたかさを感じることができるところにあると思う。再度、この機会に自らの志の原点を振り返ってみたい。
自分の原点は、子供の頃から人間のあたたかさを感じたところにあったはずだ。

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仁戸田元氣の活動報告

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Genki Nieda

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仁戸田 元氣

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(前)福岡県議(福岡市西区)/立憲民主党

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