活動報告

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関西研修レポート

6月6日から6月11日までの5泊6日の関西研修から帰途につき、先ずは何はともあれ、松下政経塾の設立趣意書を直ちに読み返したい心境になった。松下政経塾の塾生としての自分を強く意識すると共に、塾主の建塾に至った思いをしっかりと受け継ぎ、日本のそして世界の未来の為に働きたいと痛切に思った次第である。

研修の初日は、和歌山にある塾主のお墓、そしてその近くにある生家跡地周辺の訪問から始まった。塾主は名家に生まれたものの、やがて一家没落により、小学校を卒業する事なく、この地から大阪に丁稚奉公に出たのである。そして研修の行程は、この生誕地から始まり、妻、義弟と三人で始めた第一工場の跡地(大阪市福島区大開町)やご自宅である高雲荘(兵庫県西宮市)などと続く。塾主ゆかりの地を訪ね歩いていく中で、多くの方々が塾主に対して格別の思いを持っている事をひしひしと感じた。様々な方々のお話の中から、塾主の不屈の精神や他者の意見を尊重する姿勢、人情味などといった人物像が私の中で徐々に浮かび上がってきた。訪問先でお逢いした方々は、我々が松下政経塾の塾生であるというだけで、身に余る最高の待遇を頂いた。塾主の人徳の賜物であると共に、塾出身者・関係者の日頃の努力の積み重ねを評価頂いているものと感じる。感謝の念を深く感じると共に、塾生としての使命と責任を痛感した。ご期待に応えるべく、しっかりと精進しないといけないと覚悟を新たにした次第である。

研修日程の半ばは、塾主がPHP研究にかけた場所を幾つか訪問する事ができた。塾主は企業人としての成功は揺ぎ無いものであったにもかかわらず、崩れ行く日本の未来を憂慮して、日本のそして世界の繁栄の為には如何なる道を求めるべきか、逝去されるまで真剣に考え続けていたという。そのご様子は、長年塾主の側にいたPHP総合研究所の江口社長や、松下資料館の高橋支配人のお話から間接的に窺い知る事ができた。また、PHP研究の拠点であった京都の東山山麓にある真々庵の荘厳な日本庭園に佇む事で、塾主の日本の未来に対する想いや願いは、私自身にも強く伝わってきた。PHP研究の延長として、21世紀を繁栄の時代にするには、政治・社会の変革が必要あるという結論に辿り着く。その政治・社会の変革を担うリーダーを養成する事が松下政経塾の設立へと繋がっているのである。

今一度、松下政経塾の設立趣意書を確かめた。「長期的展望に基づく国家の基本理念を確立し、それを力強く実現していくべく、将来の指導者足り得る人材の開発と育成が急務であるという認識の下、真の国家を愛し、二十一世紀の日本をよくしていこうとする有為の青年を募りたい。そして、人間とは何か、天地自然の理とは何か、日本の伝統精神とは何かなど、基本的な命題を考察、研究し、国家の経営理念やビジョンを探求しつつ、実社会生活の体験研修を通じて政治、経済、教育をはじめ、もろもろの社会活動はいかにあるべきかを、幅広く総合的に体得し、力強い信念と責任感、力強い実行力、国際的な視野を体得するまで育成したい。正しい社会良識と必要な理念、並びに経営の要諦を体得した青年が、将来、為政者として、或いは企業経営者など各界の指導者として、日本を背負っていくとき、そこに真の繁栄、平和、幸福への力強い道が開けてくるとともに、世界各国に対しても貢献することができるものと確信する。(途中省略・簡略あり)」―塾主そして多くの方々が我々塾生に込めている期待をしっかりと受け止め、松下政経塾生の使命を忘れることなく、今後広く社会へ還元できるよう努力したい。そのような思いを強くした研修であった。

今回の研修の主旨とは直接的には関係がないが、研修3日目に尼崎列車事故現場を訪問し、献花をする機会があった。事故に遭われ亡くなった方々のご冥福を心よりお祈り申し上げたい。

以上

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千田勝一郎の活動報告

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Shoichiro Chida

千田勝一郎

第26期

千田 勝一郎

ちだ・しょういちろう

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