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「たかが100キロ」の真実

 「たかが100キロ この道程歩めずして 人生の長き道のりいかに歩めん」

 私が今回の100キロ行軍において、自分自身にこのようなプレッシャーをかけたのには理由があった。出発前にこのような歌を残し、壮行会において「100キロなど長い人生の中で小石ほどの障害にしかすぎない、最後まで軽々と笑いながら歩いて見せる」と大口をたたいていただけに私にとってはどうしても失敗することが出来ない100キロ行軍であった。

 直前の中国研修において、右足首を捻挫しており、100キロ行軍の当日にも痛みがひかないという状況だった。100キロ行軍が個人競技であるならば、いけるところまで頑張って無理ならば来年再挑戦しよう、という心持ちでもいいかもしれない。しかし、この政経塾オリジナル競技の特徴は、チーム全員でゴールすることが命題とされており、自分以外の全員がゴールしても一人のリタイアで全員が失格になるというチーム競技特有の厳しさを持っているのである。出発直前まで、他のチームメートに迷惑をかけないために事前リタイアすることもひとつの選択枝として考えていた。最終的に私がとった手段は、大言壮語を周りに対して吐き、余裕な姿を見せ続けることで「言い訳」が出来ないような状況にあえて自分を追い込むことで、足が折れても完走せざるを得なくするということであった。

 個人的には多くの不安を抱えながら挑んだ100キロ行軍であったが、私達のチームは体力自慢が集まった余裕もあり、当初ペース配分を考えずに遊びながら進んだり、うっかりルートを間違えたりで最初の20キロの時点で他のチームと約5、6キロの差がついていた。そのため、50キロ以降はかなりハイペースで進まねばならなくなり、チームメート同士でお互いに声を掛け合う力すらなくなっていった。それでも、そのような状況の中で最後までペースを落とさず頑張れたのはチームメートの頑張る背中を見て励まされたことが大きかったように思われる。そして、「笑顔で楽々完走する」といったがための自分へのプレッシャーが背中を強く後押ししていた。

 正直、「たかが100キロ」と一言でまとめることの出来ない不安も苦しさも喜びもあった意義深い体験であった。ただ、この経験は今後「たかが。。。。」と吐き捨てて有言実行していくという逃げ道を消したアグレッシブな人生を送るための試金石であったように思われる。

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山中光茂の活動報告

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