活動報告

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自主プロジェクト~「わたしのふでばこプロジェクト」

自主プロジェクト~「わたしのふでばこプロジェクト」
自主プロジェクト~「わたしのふでばこプロジェクト」
自主プロジェクト~「わたしのふでばこプロジェクト」

子ども支援の現場経験を通し、子どもの貧困対策における官民連携の持続可能性に疑問を抱く。制度として子どもの貧困対策を前に押し進めていくために、学用品リユース活動を中心に展開する自主プロジェクト「ふでばこプロジェクト」を立ち上げ、検証を通じてモデルづくりに励む。
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 みなさま、いつもお世話になっております。40期生の中山真珠です。

 学生時代、子どもの貧困対策に取り組む団体で活動していた私は福祉分野における民間団体の役割の大きさを実感する一方で、多くの支援現場に疲弊感が蔓延していること、制度まで踏み込む上で政治分野にプレイヤーが不足していることを感じました。子どもの貧困問題を解決するまでに、何人の子どもが大人になってしまうのだろう、彼らの大切な子ども時代を守るためには一日も早く制度を整えていかなければいけないというもどかしさ、一学生の力ではどうにもならない現状への悔しさから次第に自らがプレイヤーの一人になるという選択肢が頭をよぎりました。
 現場で耳にした子どもや保護者の方たちの切実な声を「貴重なお話をありがとう」という言葉で済ませることがどうしてもできず、その声を受け取った責任を果たしたいという思いを胸に政経塾の門を叩きました。早いもので入塾してから約3年が経ちますが、その思いは今も変わりません。
 昨年10月からは実践活動も始まり、地元関西を中心に「子ども・子育て世代を包摂する社会」の実現を目指して日々研修に励んでいます。なかでも特に力を入れて行っているのが、学用品や制服のリサイクル活動です。日本では法律上、すべての子どもたちが教育にアクセスするための権利が保障され、公教育が提供されています。しかし、教育は完全に無償というわけではありません。教育における公財政支出はOECD加盟国の中では低い水準にあり、相当部分をそれぞれの家庭が私費負担として支払っています。そのため、塾や習い事などの学校外教育にかけられる費用によって学力に大きな格差が生じてしまい、経済状況や家庭環境が子どもたちの進路に影響を与えている現状にあります。
 そこで始めたのが「わたしのふでばこプロジェクト」という活動です。家庭で使わなくなった学用品などを回収し、必要とする子どもたちに届けることで、教育にかかるコストを少しでも減らすこと、あるいは物を大切にする心を育むことができると考えています。そして何より受け取った子どもたちに「私のもの」と喜んでもらいたいという願いを込めて「わたしのふでばこプロジェクト」と名付けました。地域の方たちや行政とも協力し、徐々に当事者からのニーズが浮き彫りになってきています。今月は生活の苦しいご家庭に向けて食料品も含めた年越し支援を行っています。
 同時に、こうした活動が「任意の活動」ではなく横に広がり、制度として浸透していくことを目指していくことが重要だと感じています。そのためには外部に向けたアウトプットを行う必要があると考え、特に今年は外部発信に注力しました。公募委員として参加している県の有識者会議や講演、弁論大会などを通じて自らの思いや考えを発信しています。先日開催された尾崎行雄咢堂杯では、教育格差の問題について訴え、ありがたいことに最優秀賞を頂戴することができました。こうした小さな積み重ねで思いを同じくする仲間を一人でも増やすことができれば、社会の認識が少しずつ変わり、いつか貧困問題解決への大きな推進力になると信じています。
 これからも現場で視野を広げ、一人でも多くの方に私の思いを聞いて頂けるよう研鑽を積んでまいりたいと思いますので、引き続き応援のほどよろしくお願い致します。

(写真1)学用品リユースプロジェクト
(写真2)年越し支援
(写真3)上:尾崎行雄咢堂杯 下:県有識者会議に参加

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中山真珠の活動報告

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Shinju Nakayama

中山真珠

第40期

中山 真珠

なかやま・しんじゅ

Mission

子ども・子育て世代を包摂する社会の実現

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