論考

Thesis

政治革新に向けて、今すぐ踏み出す小さな一歩

 2020年4月15日は、韓国で国会議員を選ぶ総選挙の日でした。総選挙に向けて、自分には何ができるかを考えました。その時は、ちょうど新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、選挙運動にも影響があった時期でもあり、対面選挙運動を行うことが厳しくなって自分を知らせる機会が急に減ってしまった若い新人候補たちを応援し、選挙文化を変えるエコ選挙運動を推進することにしました。

 その運動は、 政治革新をめざす政治プラットフォームとして立ち上げた「NOW-RE [1]」という団体を基盤として取り組みました。「NOW-RE」は、 NOWは今、REはもう一度、行動する政治。今すぐ、元々の政治本来の姿に戻そうという意味です。また、「NOW-RE」の発音はナウリですが、韓国語で「ナ」は私、「ウリ」は私たち、という意味です。つまり、「私ごとを私たちごとへ、私たちごとを私ごとへ」という意味も含めて、二つの意味をもつ団体名をつくるようになりました。「NOW-RE」(以下、ナウリ)が大事にする価値は、持続可能な政治、透明で公正な政治、政治人財養成、課題解決政治、生活密着政治、直接民主主義です。

 ナウリが最初に取り組んだのは、オンライン政治プラットフォームを作って、若い新人候補の政策公約を発表したり、現在話題となっている政治イシュー対してオンラインディスカッションができる場をつくることでした。今後、これをより発展させて、市民たちが政策提案などを気軽にできるようにする環境をつくっていきたいと思っています。< /p>

 第二に、対面選挙運動が厳しくなり、本人の顔やビジョンと公約を知らせるのが難しい若い新人候補のためにライブ討論会を行いました。生中継の討論会だったので、リアルタイムで討論会をご覧になる方のご質問を受けて質疑応答時間を持ったり、相互コミュケーションのできる意味深い時間となりました。特に、今回の討論会では、選挙運動の環境がすでに整った巨大政党所属ではなく、ベーシックインカム党、未来党、民生党、ミドリ党など、少数政党の若い青年候補がどのような考えを持って政治に取り組んでいるのかについての深い議論ができて、候補者たちからもそして討論会を見ていただいた方々の両方から感謝のお言葉を頂き、大変有意義な時間でした。この中で、ベーシックインカム党代表の候補は、90年生まれですが、今回の総選挙で国会議員として当選され、ベーシックインカムに関するイシューファイティングのために努力しています。

 第三に、私たちが提案する5つの宣言に三つ以上賛同し、守ることを約束すれば、ナウリプラットフォームに候補の公約や情報などを掲載し、ナウリが積極的に支持し応援することにしました。実際に、国会議員候補たちに次のような政治革新宣言を守ることを約束してもらいました。私たちが提案した5つの宣言とは、1。3選以上の場合、自分自身を世代交代の対象とする 2。国会議員として最低賃金をもらうこと 3。気候危機非常事態を宣言し、10年以内に、炭素排出量の半分削減政策を実行する 4。3Reduce(ごみ、騒音、選挙費用を大幅に減らす)運動に取り組む 5。市民発議制度を導入すること、でした。国会議員の特権を手放し、政治文化と選挙文化を自ら率先して変えていくことを実践しようという趣旨でした。 第四に、綺麗で清浄な選挙文化の拡大のために、「環境運動連合」をはじめとする環境団体と連携し、3R運動に取り組みました。ゴミと騒音と選挙費用を大幅に削減する運動を推進し、これは選挙期間中に話題になった記事として何度も掲載されました。

 今回の選挙期間中に多様な実践活動に取り組みながら、松下政経塾にある松下幸之助塾主の銅像に刻まれている「いま、やらねば、いつできる。わしがやらねば、だれがやる」というお言葉と、塾主が強調された「政治の生産性」というお言葉がずっと思い浮かんでいました。限られた時間と資源と人材の下で、今すぐ足元でできることを最も効率的なやり方で取り組んでいくことを実践過程を通じてまさに訓練しているような実感がしました。今後も、将来の世代のための持続可能な政治、綺麗で清浄な選挙文化の定着と政治革新のためにあきらめず、着実に精進してまいります。

注[1] 「NOW-RE」(ナウリ)は、私をはじめ、政治革新に志持っていて多様な政治分野に携わっている8名の若者たちが中心となって、2019年11月に立ち上げました。レポートの写真は、ナウリのHPとFacebookから抜粋しました。 https://now-re.net/about

<参考>

https://www.futurekorea.co.kr/news/articleView.html?idxno=131790
http://www.ohmynews.com/NWS_Web/View/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0002631770
http://www.dailygrid.net/news/articleView.html?idxno=361990

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金宝藍の論考

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Boram Kim

金宝藍

第39期

金 宝藍

きむ・ぼらむ

韓国地方自治学会研究理事、川崎市教育委員会社会教育委員

Mission

持続可能な「共生都市」の実現

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