松下政経塾 The Matsushita Institute of
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Column
1997年10月

塾報

コラム ~通常国会を振り返って~
玄葉光一郎/卒塾生

 
諌早湾干拓

 前回の通常国会は、私たち民主党にとっては結党後初めて迎えた通常国会でし た。民 主党は「建設的な野党」として臨みましたが、依然として古い体質に直面するこ とが多 く、私は「日本の政治はこれでいいのか」という思いがしてなりませんでした。
 そのひとつは諌早湾の干拓問題です。「食料自給率アップには優良農地が必 要」など と言われていますが、巨額の資金を注ぎ込んだ干拓地に、誰が高い費用を払って 入植す るでしょうか。耕作放棄地や減反地が多くあるのに、なぜ10万㌶も造成するので しょう か。洪水対策なのか、農地干拓なのかもあいまいなまま進められ、これこそ税金 のムダ 遣いです。財政再建が至上課題になっている今、このような事業は見直すべきで す。

小さな政府、スリムな日本を

 今は、世界も日本も大きな転換期です。イギリスの保守党には30代の党首が誕 生しま した。しかし日本の政治は残念ながら古い体質を温存したままです。時代の転換 期であ ることを意識しないリーダーには、大きな改革の決断はできません。
 いずれにしろ、先述のような税金のムダ遣いをしていながら政府は、財政構造 改革会 議の提言を受け入れ、首都機能移転の延期を決めました。これに対し私は、所属 する国 会等移転特別委員会で強硬に反対を表明。同委が反対声明をしたことから「凍 結」から 「延期」になったものです。
 首都機能移転は小さな政府、スリムな日本を築くためにもぜひ必要です。

国民の負担増、健保法改正

 日本の政治の古い体質を残すものに「族議員」があります。私は国会議員には 専門性 は必要だと思います。しかし、たとえば農政通と農林族は違います。省益を守ろ うとす る族議員のしがらみは、改革の邪魔です。
 前回の通常国会では、健保法改正が大きな問題になりました。私たちは政府管 掌健保 などの財政がこのままでは破綻し、国民皆保険制度自体が危機的状況になること から、 抜本的改革を主張しました。しかし薬価基準にすらメスは入りません。族議員な どの抵 抗が強かったからです。小手先の改革に終始しました。

政界再々編は必ずやってくる

 かつて政治の対立軸は保保対革新でした。これからは古い族議員体質勢力や官 僚と結 びついた族議員体質勢力と、政治を市民の手に戻す勢力との対立になると思いま す。そ してこの対立を軸に政界再々編は近い将来必ずやってくるでしょう。
 これからも時代の転換期を乗り越え、活力ある未来をつくるための新しい政治 を求め て、全力をあげて参りたいと考えています。


(玄葉光一郎/松下政経塾8期生・衆議院議員)
1997年10月 執筆
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