松下政経塾 The Matsushita Institute of
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100km行軍
2002年10月

研修レポート

100km行軍 感想
上里直司/卒塾生

 

 100キロを歩き抜いた。100キロはやはり長かったし、かなり疲れた。ただ単に100キロを歩く(移動する)ことに何の意味はない、と歩き終えた今でもそう思う。しかし、この「100キロ行軍」が意味あるものだとすれば、目標を達成するための手段を一生懸命考え、行動することを考えるいい機会であるからだ。

 私は、この100キロ行軍では、「にっこり笑う」「ゆっくり歩く」という2つのことを心がけた。単純で何でもないようなことだが、行うのはなかなか難しかった。

 「にっこり笑う」という目標は、創塾時の体育講師であった平野仁氏の「最大困難時ににっこりと笑える人になって欲しい」という言葉に由来する。3人一組のチームで歩きながら実感したのだが、にっこり笑えば、チームに明るいムードを作り、楽しみながら歩くことができる。また、チームを率いるリーダーには、笑えるほど心の余裕を持つことが求められる。しかし、私は、60キロを過ぎる頃に足の裏に大きなマメができ、とてもにっこりと笑うことができなかった。その頃になると、長時間歩き続けた疲れのため、チーム内で笑える余裕などなかった。そのことが原因で一時期三人が無言でばらばらになって歩くことになった。チームの最大困難時に、「にっこり笑う」ことは、今回できなかったのは残念だった。最大困難時においてこれからの私自身の課題だ。

 「ゆっくり歩く」という目標を掲げたのは、体に負担をかけず、長時間歩くために必要だからだ。100キロを24時間で歩くためには、1時間で5キロほど歩けばいい。ゆっくり歩いて、適度の休息をとる。そしてまたゆっくり歩く。この単純な繰り返しが歩きぬくために必要なことである。と言っても、「ゆっくり歩いて」いると、本当に24時間内に歩けるのか不安になる。実際少し焦って速く歩きたくなった。しかし、50、60キロもすぎると、速く歩いていると100キロを歩けなくなることがわかってきた。つまり、無理して速く歩くと体がもたないし、体がもたないと歩く速度が遅くなり、時間内に歩けない。実は「ゆっくり歩く」のは、100キロを早く歩きぬくための理に叶ったことだと実感した。

 「にっこり笑う」「ゆっくり歩く」ことで、100キロを歩き抜いた。100キロを歩くという目標を達成するためには、単純で何でもないような手段が必要なのだと感じた。単純で何でもないことを、何でもないように実行することがいかに難しいかをいうことも同時に体に刻み込まれたような気がする。

2002年10月 執筆
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