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松下幸之助塾主(以下、塾主)の教えの下、実際に企業経営者の近くで半年間働くことにより、実践知を養うこと、経営の要諦を学ぶことを目的とした経営実践研修。卒塾後は、起業家/経営者になり事業を通じて志を実現しようと考えている私にとって、本研修での学びや出会いは自身の価値観やリーダー観に大きな変化を生んだものとなった。志に紐づいた事業・時流に合った事業を展開し、より良い社会の実現に向けて公明正大に利益を追求することはとても大切であるが、それ以上に最も大切なのがやはり起業家/経営者としての器や姿勢である。今後社会に最大限貢献・還元できる立派な起業家/経営者として、会社を牽引する身として、従業員一人一人の特性を活かし育成する身として、示しがつけられる人間になれることをめざして経営実践研修に臨んだ。
私は2025年5月13日(火)〜11月8日(土)の180日間インドネシアにて、コタ・デルタマス複合都市開発会社PT. Puradelta Lestari Tbk[1](以下、PDL)にて経営実践研修を実施した。
前回の報告書(https://www.mskj.or.jp/archives/46298.html)では、会社の概要含め、PDLにて主に私が担当している業務や、多種多様な業種の方々と日々お会いする中で気づいたことなどについて記したため、本報告書では、PDLでの経営実践研修全体を通して学んだ、経営の要諦を中心に記していく。

PT. Puradelta Lestari Tbkマーケティングオフィス外,
2025年9月11日, 筆者撮影
PDLでの仕事やJJC(ジャカルタ・ジャパン・クラブ)東部エリア部会の仕事を通して、数えきれないほどの気づきや深い学びに出会うことができた。また、多種多様な業種で活躍されている経営者/リーダーの方々から経営の要諦やその考えに至った背景を学ぶために、たくさんの企業・団体へも訪問させていただいた。その中でも特に印象に残っている経営の要諦については以下の3つだ。
①ビジネスに上下なし
ビジネスに関わるすべての人(社員や直接的・間接的なお客様)及び仕事内容に関して、どちらが上だとか下だとかは無く、平等であり、ともにより良い社会・世界を創ろうと一致協力する仲間である。企業同士、より良いサービス・価格を追求し市場競争することは必要不可欠であり良い発展に繋がるが、お互いを蹴落とすような争いへと発展するのは全く宜しくない状況である。両社(者)ともに認め合い、お客様のため・社会のために切磋琢磨し合える対等な関係性を築くことこそが、ビジネスにおいて大変重要である。
②ドットを増やす
様々な分野に対し興味・関心を向け続け、取り組み続けることにより、自分の経験や知見が活きるドットが少しずつ増えていき、結果として、ふと俯瞰して見た時に、自分にしか描けない人生の絵が表れている。ある特定の分野を深めることはもちろん必要なことであり重要なことである。加えて、あらゆる分野を経験すること・知ることは、視野や物事の捉え方が広がることにも繋がり、様々な分野での経験の掛け合わせがイノベーションを引き起こす鍵にもなる。偏見や誤った知識を持たないためにも、素直な気持ちを持ちながら何事にも挑戦していく姿勢が起業家/経営者にとって必要不可欠である。
③大事そう、難しそう、だからやる
社会的にも事業的にも大事なことだからこそ目的が生まれ、誰もやったことがない難しいことでもあるからこそ、挑戦する意義がある。リーダーとしてやらなければならない時や事柄があると理解しつつも、一旦冷静になって考えた時に、果たしてこれは社会にとって本当に大事なのか、 難しそうな事柄ではあるが仲間を集い一致協力して頑張り続ければやり遂げることができそうなのか、など深く自問し考える必要がある。このような指針を踏まえて自分が行動を起こさないといけないと感じた時こそ、リーダーとして立ち上がり必死になって物事に取り組む必要がある。リーダーとしてやるべき指針を自分の中に持っておくだけで、何事も適正に判断することができるため、指針を常に意識しながら視野を高くかつ、広く持っておくことがリーダーとしての責務である。
以上が特に印象に残っている3つの経営の要諦である。ただ言葉として理解し納得するだけでは意味がなく、常に心の中において意識しながら事業や活動に取り組み続けることにより、最初は意識していたものが気づけば当たり前の価値観や考え方になっていくに違いない。

月1回開催されるデルタマス情報交換会にて
入居企業へコタ・デルタマスの光回線敷設状況等を説明している筆者,
2025年9月17日, 石坂錬太郎PDLマーケティングマネージャー撮影
上記経営の要諦を意識していくことはもちろんのこと、インドネシアにて、PDLにて、得た経験や知見を基に、今後の関わり方や姿勢について以下表明する。
①失敗を恐れず挑戦し続ける
PDLやJJC東部エリア部会での業務などでは、「とりあえず何でもやってみる」精神が根付いており、やっていく中で修正を繰り返す:アジャイル経営がインドネシアで経営を行う際の大きな特徴だと感じる。良い意味で結果主義であり、日本的経営との違いについて考えさせられたため、”石橋を叩いて渡る”が特徴である日本的経営の良い点と、アジャイル経営の良い点を掛け合わせることで、スピード感や結果にこだわりつつも、安心・安全の信頼感も持ち合わせたハイブリッド型経営手法として活用していきたい。
②引き続きインドネシアと関わり続け、連携・協力策を模索する
インドネシアは親日国であり、国民感情として日本のことを愛してくれているインドネシアの方々はとても多い。一方で、韓国や中国の勢いは凄まじく、それにも関わらず日本企業の勢いは弱くなってきてしまっている風潮があるため、それに伴って日本としてのプレゼンスも少しずつ下がってきている状況である。本研修にていただいた有難い繋がりや機会に対する御恩を少しでもお返しできるよう、引き続きインドネシアと関わり続け、起業家/経営者として事業なり社会貢献なりを通してインドネシアの経済発展、日本のプレゼンス向上等に寄与できるよう努める。
③インドネシアの若者たちの可能性を最大化する
PDL事業における工業団地運営の中で、常々問題だと感じていたのが雇用の問題である。良い大学を出たとしても就職することが困難または賃金が低い仕事にしか就けないという問題が大きくなってきている。人口は増加傾向で若者たちの活力も高いが、教育水準が低い(特に算数は苦手)ため、なかなか良い人財が生まれにくい環境下でもある。そのため、教育環境を整え、最低賃金以下で働いている貧困世帯や若者たちが貧困のサイクルから抜け出せるよう、雇用創出という経済活動の枠組みを広げつつ、経済活動の最大化に資する高度人財の育成も同時に行っていく必要がある。
本経営実践研修で大変お世話になりました PDL の上原敦PDL副社長、田中寛人PDLシニアマネージャー、石坂錬太郎PDLマーケティングマネージャー、岩田有佳PDLマーケティングアドバイザーには、PDLメンバーとして受け入れてくださっただけでなく、公私ともに大変お世話になり、また日々の業務の中で多くのことを教えていただきまして、改めて深く御礼を申し上げます。皆様と一緒に働くことのできた時間は一生忘れることのない、幸せな思い出でございます。

PT. Puradelta Lestari Tbkにて大変お世話になった方々。上段左から、石坂錬太郎PDLマーケティングマネージャー、上原敦PDL副社長、田中寛人PDLシニアマネージャー、下段は筆者,
2025年11月7日, 筆者カメラにて撮影

PT. Puradelta Lestari Tbkにて大変お世話になった方。
左から、筆者、岩田有佳PDLマーケティングアドバイザー,
2025年11月7日, 筆者カメラにて撮影
JJC東部エリア部会に関わっておられる、笠井信司JJC理事長、八田城之介JJC事務局長、GonzoJJC広報担当、上田ぬ美子JJC運営委員、須藤一夫MM2100社長、緒方隆志KIIC社長、吉田健一郎EJIP社長、牧内敏彦IndoTaisei社長には、JJC東部エリア部会の立上げ・運営に関して大変ご尽力いただき、また工業団地同士の強固な連携により入居企業が抱える問題を吸い上げスピード感持ってインドネシア政府へ提言いただけたことなど、改めて深く御礼を申し上げます。東部エリア部会の立上げという0→1に携わらせていただけたことは大変貴重な経験となり、今後この経験を活かし衆知を集めつつ挑戦していきたいと思います。

JJC東部エリア部会にて大変お世話になった方々。左から、須藤一夫MM2100社長、吉田健一郎EJIP社長、上原敦PDL副社長、筆者、緒方隆志KIIC社長、牧内敏彦IndoTaisei社長,
2025年10月24日, 筆者カメラにて撮影
また、小林一則SinarMas上級顧問、榎本豊元PT. Gobel Dharma Nusantara取締役には、 PDLにて働く機会を創ってくださり、かつ現地にてたくさんの有難い機会をいただきまして、改めて深く御礼を申し上げます。リーダーとしての姿勢や振る舞いを見させていただき、私も御二方のような愛に溢れたリーダーをめざしていきたいと思います。

インドネシアでの研修、PDLでの研修を創ってくださった方々。左から、上原敦PDL副社長、筆者、小林一則SinarMas上級顧問、榎本豊元PT. Gobel Dharma Nusantara取締役、八木徹PT Lippo Cikarang Tbk事業開発マネージャー,
2025年10月28日, 筆者カメラにて撮影
その他にも、現地にてお話を伺わせていただいた、訪問させていただきました皆様へも厚く御礼を申し 上げると同時に、インドネシアという国、そこに住む方々すべてに、より多くの幸せが訪れますよう、心より願っております。180日間本当にありがとうございました。また必ず会いに行きます。
[1] Kota Deltamas, https://deltamas.id/en/company-overview/ , (参照 2025-12-12)
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Junya Osuki
第45期生
おすき・じゅんや
Mission
すべての子どもたちが心身ともに安心して夢を持てる世界の実現