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外交安保フォーラム ~日本はどこに向かうのか~

2015/7/21

 2015年7月22日(水)、公益財団法人松下政経塾主催「外交安保フォーラム~日本はどこに向かうのか~」を、主婦会館プラザエフ(東京都千代田区)にて開催しました。当日は、平和安全法制が衆議院本会議を通過したばかりで、このテーマに関心が集まっており、定員を上回る120名以上の方にご来場いただきました。
 平和安全法制の問題は、なぜこれほどまでに紛糾しているのか。私はその理由を、「手続き論ばかりに議論が終始して、日本外交がこうあるべきという議論が欠如しているのではないか」と考えました。このような問題意識の下、日本外交はそもそもどうあるべきなのかを軸に平和安全法制について考える機会を作りたいとの思いから、今回のフォーラムを行うことを決めました。

 第一部の基調講演では、元防衛大臣で拓殖大学特任教授である森本敏先生から、「安全保障関連法案で何が変わるのか」とのテーマでお話しをいただきました。森本先生は、国際法に基づかずに力による現状変更を試みようとする国々、ISILのようなグローバルに活動する非政府主体の存在をあげ、日本は価値観を共にする多様な国々との関係強化をしなければならないという趣旨のご講演をされました。

 第二部のパネルディスカッションでは、第一部で講演していただいた森本先生に加えて、自由民主党衆議院議員・元防衛大臣の小野寺五典塾員、民主党衆議院議員・元外務大臣の玄葉光一郎塾員をパネリストにお招きし、「日本の外交安全保障はどこに向かうのか」に関するディスカッションを行いました。近年の国際情勢の変化とそれに向き合う日本外交のあり方、平和安全法制の必要性・問題点・課題、国会における法案の議論のあり方など、平和安全法制をめぐって様々な角度からの議論が行われました。会場からは、今後の中国の動向、米国の対アジア政策、韓国との関係改善などに関する質問が寄せられました。

 パネリストの先生方はそれぞれの見解を述べられましたが、その中で、今後の日本外交にとって、日米同盟の片務性の克服が必要であり、更には対米関係を基軸とした上での多国間協力による安全保障の実現が重要である、という点については三人の共通見解のように感じられました。また、専門家でさえ分かりにくい平和安全法制の内容を、専門家以外の人々が理解し議論に参加していくことの難しさに関する指摘もありました。今後の参議院での議論に注目していく必要性も痛感しました。

 今回のフォーラムを開催してうれしかったのは、若い方の参加が多かったという点です。それから、平和安全法制に賛成の立場・反対の立場のどちらの方もいたように見受けられた点も良かったと思います。このフォーラムはこれからもシリーズで続いていきますが、多様な意見を持った若者が社会の未来のために何ができるのかを考えられる機会になっていくようにしていかなければならないと感じました。
ご来場いただきました皆様、パネリストの皆様に対し、心より御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 
文責/佐野裕太(第二部パネルディスカッション・コーディネーター/第34期生)

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