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卒塾生と現役塾生が語る、自修自得の研修 ~入塾説明会(新宿会場)
松下政経塾の人材育成 (1/4)

2015/7/27

松下政経塾とは、どのようなところなのか。どんな人が塾生になっているのか。2015年6月19日に新宿にて開催された説明会の様子をお伝えします。「自修自得」の研修とはなにか。徳とは。人間とは。古山塾頭による研修方針の説明と、本間正人氏コーディネートによるパネルディスカッションにより、塾の輪郭をよりはっきりと掴んでいただけたのではないかと思います。

第1部:松下政経塾の人材育成
古山和宏|松下政経塾研修塾塾頭。第3期生。塾設立当時の熱情を今の塾生に伝えている。
 
第2部:パネルディスカッション「松下政経塾の研修」
本間正人| 京都造形芸術大学教授。第3期生。NHK教育テレビビジネス英語の講師、コーチングの指導者としても有名。教育学に代わる「学習学」を提唱している。
佐野裕太| 第34期生(入塾3年目)。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。インド太平洋地域における繁栄・平和・幸福の実現をテーマに研修中。
木村誠一郎| 第35期生(2年目)。九州大学大学院・水素エネルギーシステム専攻博士課程修了。「2045年エネルギー融通国ニッポン」の実現をテーマに研修中。
山本将| 第35期生(2年目)。神戸大学法学研究科実務法律専攻修士課程中退。天分を活かし誰もが働くことのできる社会の実現をテーマに研修中。

「自修自得」と「徳・知・体三位一体」

今日は2つのキーワードをまず皆さんに申し上げたい。
まず第一に、政経塾の研修の最大の特徴は何かというと、「自修自得」です。この「自修自得」という言葉が、政経塾の研修を象徴する言葉ではないかと思うのです。
 
実は私も塾の3期生ですが、最終面接が松下幸之助さんだったのですよ。試験会場入ったら松下さんが真ん中座っているわけです。で、20分くらいのやりとりだったのですけど、一言も喋ってくれなかった。じっと睨まれているだけでね、怖い怖い(笑)。今でも思い出すね。最後まで何も喋ってくれなくて、どうしたのかなと思って、諦めかけた頃、おもむろに手を挙げて一言言ったのは、「君なあ、政経塾に先生はおらへんで。5年間辛抱できるか。」と。当時は5年間だったのです。普通、学校には先生いますよね。政経塾は先生がいない学校です。与えられた教育に慣れていると、先生がいないというのが信じられない。そんなところで5年間やれるのか、という問いかけだったのですね。それを私は鮮明に覚えています。
 
それ以来、先生がいない、カリキュラムは自分らで作れと、こういう塾なのですよ。自修自得ができない人間は、政経塾に何年いてもものにならないということも言われました。ただ、志を持って俺はこんなことがやりたいのだという人にとっては、こんな良いところはないと思います。
 
それから二点目。政経塾が求める人材。私は塾生の頃からずっと考え続けているのですけれど、一番私にフィットする言葉は、「徳・知・体三位一体」という言葉なのですね。普通「知・徳・体」といいますでしょ。順番が違っているのです。幸之助さんに「なんでですか?」と聞いたら、「一番大事なものを、一番最初に置いてるのや。」という言葉でした。
 
政治の世界に、やはり頭の良い人はたくさんいるのですよ。だけど、本当にこの人に付いて行こうという人は少ない。だから徳を磨く、徳を積む、徳を養うということを政経塾では大いに知ってもらいたいなと思います。知と体については、説明することはないと思います。入塾してもらう人には、バランスの取れたリーダーに是非なってもらいたいなと思います。

>>次ページ パネルディスカッション(1)塾に入るきっかけ、塾生として学んだこと(2/4)
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