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新春のご挨拶

2020/1/5

 

 新しい天皇が即位され、元号が令和に変わった2019年、松下政経塾は創立40周年を迎えることが出来ました。
 これもひとえに長年にわたり頂戴いたしました多くの皆様の厳しいご指導と温かいご支援の賜であり、心より感謝申し上げます。

 昨年は4月1日に、松下幸之助記念財団と合併し、新たに『松下幸之助記念志財団・松下政経塾』として発足いたしました。両財団が有する多くの有形無形の資産を融合し、より一層研修体系強化を図ってまいります。
 理事長には松下正幸氏 専務理事として当塾から神藏孝之塾員に就任して頂きました。私は副理事長として松下政経塾を担当させて頂きます。

 40周年記念行事の一環として、塾内茶室(松心庵)の隣接地に『根源の社』を建立いたしました。
 製作を担当していただいた有限会社覚正庵様は、明治5年(1872年)焼失した東本願寺再建の為に全国から入洛した宮大工のひとりが初代の棟梁 米澤次右衛門であり、「名声を求めず、仕事一筋に後世に残る技術を残せ」の教えを残されています。塾主の信頼厚く、3代目が真々庵の「根源の社」を、4代目がPHPとパナソニック本社の「根源の社」を、そして5代目米澤正隆氏が松下政経塾の「根源の社」を各々建立してくださいました。
 日本の宮大工に代々伝わっている伝承技術のひとつである“木組みの技術”が数多く使われ、真々庵の「社」と寸分違わず完成して頂きました。

 この『根源の社』の趣旨につきまして、年の初めにあたり今一度ご紹介させていただきます。

 

 ここに述べられている文言は、塾主がPHPの理念を考えるにあたり、その基本におかれた概念であり、松下政経塾生にとりましても、「ものの見方、考え方」の根源となるものであります。

 また、松下幸之助の歴史と松下政経塾の現状が一目で判る「松下幸之助志伝承室」を本研修棟の一室に常設させて頂きました。
 関係者の皆様、卒塾生におかれましては、この機会に是非とも一度足をお運び下さい。

 11月16日には、松下政経塾創立40周年の記念式典を行いました。
 壇上に立たれた第一期生の野田佳彦塾員は、塾主が生前に語られた「建塾の理念」の映像をご覧になり、『松下政経塾にかけられた塾主の深い思いを改めて感じた。自分は未だその役割を果たしていない。塾主に対して申し訳ない気持ちでいっぱいです。』と言葉を詰まらせ涙する場面がありました。
 出席されていた多くの塾員達もまた同じ気持ちになったのでしょう。ピンと張り詰めた空気の中で、目頭を熱くして聞いておられました。

 40年前、塾主松下幸之助が、青年達に託された“物心ともに豊かな日本”の実現は、未だ道半ばとしても、卒塾生に脈々として流れている情熱と責任感を間近に感じることが出来ました。

 今回の記念行事は、長きに亘りご支援賜りました多くの皆様への感謝の場であると同時に、私達関係者もまた「果たして身命を賭して建塾の理念の実現に日々精進しているか」を自らに問いかける機会でもありました。

 これからも松下政経塾は次世代のリーダーを育成するために全力を投入してまいります。
 皆様のより一層のご支援ご指導賜りますよう伏してお願い申し上げます。

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