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第2回 松下幸之助杯スピーチコンテスト決選大会の講評・審査結果について

はじめに

 2021年11月27日、「第2回松下幸之助杯スピーチコンテスト決選大会」(主催:公益財団法人松下幸之助記念志財団/後援:文部科学省・読売新聞社・株式会社PHP研究所/協賛:パナソニック株式会社)がオンラインにて開催されました。
 本コンテストは、松下幸之助塾主の志を次世代につなげ、リーダーとして、SDGsに定められた17の開発目標に取り組み、2030年の世界に向けたビジョンを描き、それを実践する青少年を応援することを目的として、昨年度に引き続き企画されたものです。
 一次審査(スピーチ原稿審査)を経て選出された14名の方が決選大会に出場し、素晴らしいスピーチを披露していただきました。これを踏まえ、決選大会における審査員による講評と、審査結果及び選評を発表致します。
 なお、決選大会の録画は松下政経塾公式YouTubeチャンネルにて配信していますので、どうぞご覧下さい。

<第2回松下幸之助杯スピーチコンテスト決選大会(録画)>
https://www.youtube.com/watch?v=Y3FXMgCPyt8&t=1048s

1.審査員による講評(五十音順)

佐伯聡士様(読売新聞東京本社 論説副委員長)

 この度はスピーチコンテストの審査に関わることができ大変光栄に思います。本日、若い皆さんのスピーチをお聞きして、国内外の幅広い課題に積極的に取り組もうとする熱意や、非常に独創的でユニークな提言に触れることができ、勉強になりました。また、エネルギーに溢れたメッセージに大いに勇気づけられました。
 昨年来、世界的な規模で新型コロナウイルスの感染が拡大し、日本では今年の夏から第5波に見舞われて、多くの方が困難な暮らしを余儀なくされました。そんな中、このコロナ禍に打ち勝つために、各国の指導者の方々が発信する言葉の力がいかに重要であるか、ということをあらためて認識させられています。難局を乗り切るために、日本の政治指導者も発信力や説明能力を高めることが欠かせないということを、私たち読売新聞も社説で何度も訴えてきました。本日のスピーチの中で、ノーベル平和賞を受賞したマララさんの「言葉で世界を変えることができる」という言葉を引用した方もいました。まさにその通りだと思います。国の指導者の声が国民の心に響かなかったら、個人個人の行動に繋がることはできないし、社会を動かすこともできません。これは国だけではなく、地方のリーダーや企業のトップであっても同じことです。
 本日のスピーチコンテストを踏まえて、自分の言葉をさらに磨いて、それを言葉だけでなく実践し、立てた目標に向かって果敢にチャレンジしていくことを期待しています。

辰野まどか様(一般社団法人グローバル教育推進プロジェクト(GiFT)代表理事)

 スピーチを聞いてエネルギーが上がりましたし、2030年の未来が既にここにあるような気持ちになりました。この機会をいただき心から感謝しています。私は20代の頃に一人一人の夢やビジョンを引き出すコーチという仕事をしていたのですが、現在の仕事も含めて実感しているのが、話した内容は本当に叶うということです。おそらく本日のために自分の言葉をかなり磨いて短い時間の中で伝えようと準備したと思うのですが、凄いパワーが詰まっていました。
 より良いビジョンを描いていくには、ワクワクとモヤモヤの2つが大切です。好きなことにワクワクしている人もいれば、昔に感じたモヤモヤを大切にしている人もいるでしょう。これは、外にある答えをただ自分のものにしているのではなく、自分の心に向き合うから感じることだと思います。その気持ちこそが、面白いものを生み出したり、今どこにもないものを創り出していくものです。冒頭紹介された松下幸之助さんの「成功するまで続ける」という言葉のとおり、ぜひワクワクとモヤモヤを大切にしながらより良い未来を創造し続けていきましょう。
 最後に、お互いのスピーチを聞いて、自分と同じことを考えていたり、切り口は違うものの思いが似ている人に出会ったと思います。SDGsの本質の一つは「パートナーシップでゴールを達成する」ことなので、繋がって協力しながら夢の実現を加速してほしいと思います。私もより良い未来にするために頑張りますので、引き続き宜しくお願い致します。

橋爪大三郎様(東京工業大学名誉教授)

 本日は14名の方が選ばれて出場しているわけですが、この催しに手を挙げて「私もスピーチをしたい」と応募して下さった全ての方のスピーチを本当は聞きたかった。審査員は、スピーチをした方々に点数を付けるのですが、そんなことしている場合ではありません。全てのスピーチが素晴らしいし、スピーチをしている皆さんに審査員は圧倒されています。何とかそれらしいことを言わなければならないとオタオタしているのが審査員ですので、皆さんはどうぞ自信を持って下さい。
 コンテストでは1位になる方が一人決まると思いますが、皆さんは「私が1位だ」と思って下さい。私たち審査員もそのように思っています。本日出場できなかった方々も「実は私が1位だ」と思って下さって結構です。一人一人のスピーチは異なりますが、経験や知識から「これを言いたい」という自分だけの思いを言葉にして届けて下さったというのは共通しています。ずいぶん練習されたと思いますし、それが伝わってきました。そして未来を見据えて実行しているわけです。これがスピーチです。スピーチの利点は、自分の体験や思いを他の人と共有できることです。スピーチがあれば世界は繋がり変わっていくということを、あらためて学ばせていただきました。感謝しかありません。ありがとうございました。

2.審査結果

松下幸之助杯(最優秀賞)(賞状及び副賞30万円)1名

山手健矢さん(九州工業大学大学院:大学院生)
<スピーチタイトル>
「飲食店の排水溝悪臭改善プロジェクト」
<SDGsの17の開発目標>
「14. 海の豊かさを守ろう」

(選評)
大学生協食堂でアルバイトしていた際に相談を受けた「排水溝の悪臭」を改善するため、専門分野の知識を活かし自らプロジェクトを立ち上げ、海外調査や研究費獲得、特許出願等に挑戦しています。問題を発見し解決する意欲、具体的な行動を積み重ねている姿勢は、まさに「先駆開拓」そのものであり、最優秀賞に相応しいと考えます。SDGsのゴールに取り組む多くの人のロールモデルになることを期待しています。

パナソニック杯 (賞状及び副賞10万円)1名

森山ひかるさん(東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校:高校生)
<スピーチタイトル>
「奏者の責任」
<SDGsの17の開発目標>
「12.つくる責任 つかう責任」

(選評)
専攻楽器・オーボエの原木が準絶滅危惧種であることに気が付き、奏者として、その現実を知る機会を作ったり、植樹活動への参加等に取り組もうとするスピーチです。身近なものの素材を大切にして、そこに潜む様々な問題をあぶり出し、現場を「自らの足で歩こう」という姿勢を評価しました。自己を表現する文章力も優れており、スピーチした内容の実現にひたむきに取り組むことを期待しています。

優秀賞(賞状及び副賞5万円)3名

YI LINAさん(武蔵野大学大学院:大学院生)
<スピーチタイトル>
「世界中どの国に暮らしていても自分の母語を学習できる場所を作りたい」
<SDGsの17の開発目標>
「10.人や国の不平等をなくそう」「16. 平和と公正をすべての人に」

(選評)
日本で暮らすモンゴル族の子どもたちが母語を学習できる場所が少ないという体験に即し、自らボランティア活動を行なったり、オンライン教室の開設や独自教材の開発等に挑戦しようとする内容です。母国を離れて暮らす子どもの将来を思う「素直な心」からのスピーチに胸を打たれました。様々な母語をもつ人々のモデルケースになり、多文化共生の実現に尽力することを期待しています。

芦田幸来さん(ケイ・インターナショナルスクール東京:高校生)
<スピーチタイトル>
「教育の質を上げるためにできること」
<SDGsの17の開発目標>
「4.質の高い教育をみんなに」

(選評)
日常の小さなきっかけから、「日中青年会議」を探して飛び込み、その現場で国による教育の違いに気が付き、世界で起こっている様々な問題を中高生向けに発信する活動に取り組んでいます。「見るもの聞くことすべてに学ぼう」とする姿勢と行動力、着眼点を評価しました。今後は、日中関係そのものにより深く向き合い、言葉を磨き上げ、さらに活動を広げていけるよう一層努めて下さい。

小林真緒さん(Stone Ridge School of the Sacred Heart:高校生)
<スピーチタイトル>
「心の健康が確保される社会を目指して」
<SDGsの17の開発目標>
「3.すべての人に健康と福祉を」

(選評)
自身の体験から、心の健康の問題を取り上げ、同様に辛い思いをしている人たちを救うための学生団体を立ち上げ、ネットワークづくりに挑んでいます。「自修自得」の精神で、地に足を付けてメンタルヘルスの価値を発信する姿勢を評価しました。一人でも多くの方の生きづらさを取り除く社会の実現を目指し、試練と向き合い乗り越えたという「財産」を活かして前進して下さい。

奨励賞(賞状及び副賞:松下幸之助著『リーダーを志す君へ』)

川北 輝さん   広島国際大学大学院(大学院生)
栗田 侑さん   浜松開誠館高等学校(高校生)
紀野 陽香さん  近畿大学(大学生)
服部 健汰さん  鈴鹿中等教育学校(中学生)
橋本 凜太郎さん 作新学院高等学校(高校生)
木内 太貴さん  株式会社キャリアコンサルティング(社会人)
髙橋 智恵さん  架け箸(社会人)
波多江 琴美さん 慶應義塾大学(大学生)
羽深 英さん   東京大学(大学生)

※出場順に掲載しています。
※恐れ入りますが審査結果に関してのご質問にはお答え致しかねますのでご了承下さい。

おわりに

 本コンテスト開催にあたり、審査員を務めていただきました先生方、ご後援ならびにご協賛をいただきました各団体の皆様、そして告知・応募にご協力いただきました皆様に、心より御礼を申し上げます。
 本コンテストは第3回を実施予定で、詳細は2022年春頃に松下政経塾HPにて掲載致します。

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