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松下政経塾政経研究所・政治山 合同調査「若者の政治的意識及び動向に関する意識調査」を実施しました

2021/10/15

 10月14日に衆議院が解散され、19日公示・31日投開票の日程で、総選挙が実施されます。10代~30代の若い世代は、今の政治をどのように捉え、今後どのように関わっていこうとしているのでしょうか。
 松下政経塾政経研究所では、政治・選挙プラットフォーム「政治山」(株式会社VOTE FOR)との合同調査において、「若者の政治的意識及び動向」をテーマとして、全国の18歳以上40歳未満の男女を対象に10月2日から10月3日まで、インターネット意識調査「政治山リサーチ」を用いた調査を実施しました(回答数1141人)。
 ここでは、若い世代の支持政党や投票時に重視する政策、地域活性化への参加に関する設問から、調査結果を一部紹介します。

(1)若い世代は「支持政党なし」が6割以上、衆院選での投票先に注目

 はじめに、普段どの政党を支持しているか尋ねたところ、「特に支持している政党はない」(62.4%)が最も多く、「自由民主党」(19.5%)、「日本維新の会」(3.8%)、「国民民主党」(3.3%)、「日本共産党」(3.1%)、「立憲民主党」(2.8%)、「公明党」(2.5%)、「れいわ新選組」(2.1%)が続く結果になりました(グラフ1)。若い世代の大多数は日常的に支持する政党がないことが読み取れます。

    (グラフ1:支持政党)

 これを性別で見てみると、「特に支持している政党はない」と答えた割合は男性よりも女性の方が20ポイント以上高くなりました。
 今回の衆院選では、この「特に支持している政党はない」と答えた6割以上の若い世代がどの政党に投票するのかが注目されます。

(2)雇用・経済を最重要視するも、男女でコロナ対策への意識に差

 次に、衆院選で投票先を考える際に重視する課題について3つまで選んでもらったところ、「雇用・経済」(36.5%)が最も多く、「新型コロナ感染症対策」(32.3%)、「子育て・教育」(26.9%)「医療・福祉」(23.1%)が続きました(グラフ2)。

    (グラフ2:次期衆院選で投票する際に重視する課題)

 これを性別で見てみると、「環境・エネルギー」や「外交・安全保障」は男女ともに重視している一方で、「雇用・経済」や「デジタル化等の行政改革」は女性よりも男性の方が回答する割合が高く、「新型コロナ感染症対策」や「子育て・教育」、「医療・福祉」の選択肢は男性よりも女性の方が重視している傾向がうかがえました。さらに年代別とかけ合わせてみると、「新型コロナ感染症対策」は10代の女性では47%に達しており、同じ10代の男性(34.7%)と比べてもコロナ対策を重視していることが分かります。

(3)地方創生はふるさと納税等で貢献、20代・高年収は選挙への立候補に意欲も

 最後に、近年進められている地方創生を念頭に、どのような形で地方活性化に関わりたいかを聞いたところ、「ふるさと納税や寄付を行いたい」(40.5%)が最も多く、「地方の活性化には関心がない」(26.1%)、「SNS等を活用して地方の魅力を発信したい」(17.7%)、「都市部から地方に移住し、仕事を通じて地方の活性化に取り組みたい」(13.7%)が続きました。(グラフ3)

    (グラフ3:地域活性化への参加について)

 これを年収別に見ても、概ね全体と同様の傾向が見られますが、年収800万円以上になると「地方の議員に立候補したい」「地方の首長に立候補したい」の割合が高くなる傾向となりました。この「立候補の意欲」について、年代ごとの割合で見ると、20代は議員・首長ともに全体よりも高い傾向にありますが、実際には20代の議員・首長が少ないことを鑑みると、選挙への立候補の意欲があってもその費用に充てる年収が障壁となっていることがうかがえます。

 もちろん、今月19日公示の衆議院議員選挙を含む国政選挙と、本調査で尋ねた地方選挙では、供託金をはじめ出馬に必要な費用が異なりますが、特に地方議員のなり手不足が叫ばれる中、年収にかかわらず、若い世代が選挙に立候補する意欲を持つことができる環境づくりがより一層求められているのではないでしょうか。

本調査に関するお問い合わせ先

松下政経塾政経研究所 担当:西野
E-mail seikei@mskj.or.jp

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