論考

Thesis

地域・学校・行政の連帯で子ども達が行きたがる学校をつくろう

ある生徒が年間で30日以上学校を欠席しますと、「登校拒否」とされます。江東区内で240名の中学生が登校拒否しています。区内の中学生は合計して8688名。(平成9年5月1日)全部で23校ありますので、おおよそ中学校1校分の生徒が昼間学校に行っていない計算になります。
 またある中学校では合わせて30人の先生がいらっしゃいます。ここ5年間で5名の先生が休職されているそうです。子どものいじめは良く聞きますが、先生同士の派閥やいじめもあるそうです。運動クラブ受け持ち派・文化クラブ受け持ち派・帰宅組派に分かれて主導権を争います。大の大人がと信じられないでしょうが、他派の先生の持ち物を隠してしまったりする陰湿ないじめもときどき起こるそうです。
 これは新聞記事の話ではありません。私たちの回りの学校で進んでいる事実なのです。
 こうした学校の荒廃は子どもの健全な育成によい影響を与える訳がありません。少年非行や少年犯罪に暗い影を投げかけているはずです。

 今年の2月2日、亀戸で中学3年生が警官をナイフで切り付けた事件に驚かされたのをご記憶の方も多いかと思います。私たちの町では前代未聞の事件でした。しかし「あの事件は特別なんだよ」と片づけられない兆候があちこちで見て取れます。むしろ静かに成長したたくさんの休火山の一つが爆発したのかもしれないのです。
 あの事件は深夜零時過ぎにおきました。私は新聞記事を始めに読んだときなんでこんな時間に中学生が外をうろついているのか不思議でした。そしてちょっと調べてみました。
 22時から6時までの深夜にはいかいして補導された少年は平成8年で499人、平成9年で551人にものぼるのです。もちろん補導された少年の総数ですから、実勢はこれを遙かに上回るだろうということは想像に難くありません。
 深夜に近所のコンビニに行き、子ども達が集まってたむろしている光景をしばしば見かけたことがあります。近頃の子ども達は食べ物の西欧化の影響でしょうか、立派な体格をしており中には大人以上の体つきをした子もいます。中には茶髪が混じっていたりすると、ちょっと薄気味悪さすら感じます。

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豊島成彦の論考

Thesis

Naruhiko Toyoshima

豊島成彦

第16期

豊島 成彦

とよしま・なるひこ

公認会計士・税理士

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