松下政経塾 The Matsushita Institute of
Government and Management

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宗家研修
2004年11月

研修レポート

宗家研修レポート
松下玲子/卒塾生

 

1.はじめに

 春の関西研修に引き続き行われた秋の関西研修は、「日本の伝統精神・文化」をよりよく理解することを目的として行われました。特に、裏千家お家元での宗家研修にあたっては、政経塾に入塾した4月より、中島先生、紺谷先生、加藤先生にご指導頂き、まさにこの秋の宗家研修を目指した茶道のお稽古をしてきましたが、まだまだ大変未熟であり、本来ならお家元で研修を行うことが出来るには程遠く、ご迷惑をお掛けしてしまったことと思いますが、こころよく受け入れて下さったことを感謝するとともに、宗家研修を通じて学んだこと、感じたことを述べさせて頂きたいと思います。

 3日間の宗家研修を通して、私自身、稽古不足で未熟であるにもかかわらず、本当に多くのことを教えて頂き、ここで全てを述べることは出来ませんが、その中でも特に強く感じたことは、「おもてなしの心」でありますので、以下この点を中心に述べたいと思います。

2.おもてなしの心

 宗家研修の3日間、作務(さむ)といって、掃除を行いました。7時30分から9時までの1時間30分、玄関や庭、室内を隅々まで綺麗にしました。政経塾でも毎日早朝研修というかたちで、掃除を行っていますが、作務は今までの掃除に対する考え方を改めさせるほどのものでありました。

 私は屋外の作務を担当したのですが、竹箒を使って掃除をすることは、玄関や庭を綺麗にすることに変わりはないのですが、落ち葉を掃いて捨てるだけではなく、木や砂利に落ち葉を集め、綺麗にするという方法がとても新鮮でありました。それは、落ち葉と木や砂利との調和がとても美しく、捨てるだけが掃除ではないということであると思いました。

 このように落ち葉を集め綺麗にすることや、庭の砂利を整えて線を引く作業を行うことは、茶室を訪れる客人をもてなす心のあらわれであり、茶室に入る以前から視覚で楽しんでもらうものであると思います。細やかな心づかいに、人をもてなす心というものを感じ取ることが出来ました。

 2日目には、お家元から直接お話をお伺いすることが出来るという、大変貴重なお時間を頂きました。そのお話の中で、特に印象的だったものは、家元の役目についてであります。家元の役目とはおもてなしの心に通じるものであり、家元を家主やマンションの管理人にたとえ、そこに住む住人が住みやすくなるように、メンテナンスを行うというものでありました。多くのお弟子さんとお家元は、たまたま与えられた役割が違うだけで、お茶を楽しむという点では皆共通で、茶室では皆平等ということです。

 また、このお話の内容だけでなく、お家元のおもてなしの心は、私たち塾生の自己紹介に対して頂いたコメントからも伺うことが出来ました。私の前職の話をした時に、お茶をビールにたとえると、お濃茶とお薄はギネスと発泡酒であるとお話して下さり、緊張していた私の心を少しほぐしてくださったのです。未熟ながらお茶のお稽古に来た私を歓迎してくださっていると感じ、本当に嬉しく思いました。

3.おわりに

 3日間の宗家研修では、本当に多くの方々にお世話になりました。お稽古以外にも、めったに入ることの出来ない重要文化財指定の今日庵を案内して頂き、裏千家学園では茶の歴史についての話や、大徳寺拝観など、ここで一言では語りつくすことが出来ないほどであり、裏千家の皆様や政経塾の研修に深く感謝しています。これからの研修や人生において、今回学んだ茶道の心を活かしていきたいと思います。本当にありがとうございました。

2004年11月 執筆
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