論考

Thesis

月例報告

5月12日(日)pm1:00-6:30まで東洋大学で日本福祉学会主催の公開シンポジウムが開催され、関係者を中心に600人の参加があった。もちろん私も参加した。今年のテーマ は、「子ども家庭福祉の新たな方向」であった。

 参加者が多かった主な理由としては、来年が児童福祉法制定50周年の年に当たり、関 係者が法改正の動向を探ったりすることや情報収集するためではないかと思われる。関係 者を初めこの問題への関心の高さをかんじた。今月はシンポジウムの内容を月例報告とする。

 今年の3月より厚生省を中心に児童福祉法改正作業が行われている。現在、2ヶ月に3 回の割合で厚生省の諮問機関である中央児童福祉審議会基本問題部会で法改正作業を進め ている。委員は全部で21人で構成され財界人やマスコミ人、学者など様々な分野の方々 が名を連ねている。そのなかには養護施設関係者も1人入っている。

 具体的な改正作業内容は、当日配布された厚生省の資料の一部を列挙する。
 現行の児童家庭福祉体系の見直しについて(児童家庭局)

  1. 検討の趣旨及び背景
      現行の児童福祉法は昭和22年に制定され、来年、制定50周年の節目の年を迎えることになるが、以下のような状況にかんがみ、現行の児童福祉法を中心とした児童家庭福祉体系のうち、

    1. 養護施設、教護院などの要保護児童施策体系
    2. 保護者など児童保育施策体系
    3. 母子寮、児童扶養手当、母子福祉貸付金などの母子家庭施策の体系について21世紀を見据え、昨今の児童や家庭を取り巻く社会経済環境に対応した見 直しを行うこととする。

  2. 検討課題
    (1)要保護児童施策について      

    ・要保護児童施策の対象範囲をどう考えるか。     

    ・対象児童にふさわしい要保護児童施策体系はどうあるべきか。

    ・要保護児童施策体系において家庭及び地域とのかかわり、学校教育との関係についてどう考えるか。      

    など

    (2)児童保育施策について     

    ・子育てについての家庭の役割と社会的支援の関係をどのように考えるべきか。

    ・多様なニーズに対応できる子育てシステムはいかにあるべきか。

    ・保育内容及び保育水準をどのように考えるべきか。

     など

    (3)母子家庭施策について    

    ・母子家庭施策をどのような視点から考えていくべきか。    

    ・母子家庭の自立支援システムはどうあるべきか。    

    ・児童扶養手当制度についてどのように考えていくのか。      

    など

 以上3つの項目で改正の検討審議がなされている。
 養護施設に関するのは(1)要保護児童施策についてである。細かい内容についての報 告はされなかった。
 私は、質疑応答時間のなかで3つ意見を述べた。1つは、身元保証人制度の導入の必要 性について。養護施設児童の家庭背景の1つに親に頼れない状況がある。就職するとき、 進学するとき、あるいは結婚するときに保証人になってもらえる人が皆無の児童が発生し てしまい、就職できなかったりするなどの支障が出てしまう。これに対する国の施策はな いので、身元保証人制度導入の必要性を述べる。

 2つは、他省庁と共同・連携ので法改正作業の必要性について。2年前に大蔵・厚生・ 自治・建設4大臣合意で「エンゼルプラン」が策定されたが、今度の法改正作業も厚生省 中心で進めるのでなく、他の省庁と連携して進めるべきではないかと述べる。

 3つには、政治家を巻き込む必要性について。政治家があまり関心を示さなければどん なにすばらしい児童福祉法案ができても、仏作って魂入れずになってしまうのではないか 。出来るだけ多くの政治家に働きかけたり、国民に訴えて世論を高める必要性があるので はないかと述べる。

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草間吉夫の論考

Thesis

Yoshio Kusama

草間吉夫

第16期

草間 吉夫

くさま・よしお

東北福祉大学 特任教授

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福祉。専門は児童福祉。

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