論考

Thesis

「激動の都政」を走り続けて

激動の都政のなか、都政の抱える様々な問題に取り組んでいる。 第一に公費乱用問題。これは市民団体などの粘り強い情報公開請求によって、全国自治体で相次いで明らかにされているが、本来ならば一般市民よりも大きな調査情報をもつ議会が率先して行うべきもの。都議会でも永年にわたって行政の不正支出を見逃していたことが判り、都政に対する信頼を損ねた点を反省すべしと厳しく本会議で指摘した。議会も含めた公費使途の徹底した情報公開、自治体に対する外部調査制度の確立など「抜本的な改革」の必要性を感じている。

 第二に、青島知事就任以来、とりわけ注目を浴びてきた臨海副都心問題。平成8年度補正予算案で、知事が地下下落に伴い臨海副都心進出企業に権利金を一部返還する旨を提案したことに対して、(1)世界都市博中止によって副都心の地下が下落し、余計な支出をせざるを得なくなったのではないか、(2)都が出資する第三セクターにまで返還するのは疑問、(3)バブル崩壊を読み切れなかった行政のツケを都民負担に求めるのは筋が違う、と所管の経済・港湾委員会理事として徹底的に支出減を求めた。結局、付帯決議付で可決されたが、税金の支出には都民の理解と納得が不可欠という大前提を大切にしていきたい。

 第三に、首都機能移転問題。昨今、この問題は「行財政改革」と不可分のような論調があるが、裏を返せば行財政改革は首都機能移転なしにはできない、という議論にも発展しかねない。「行政改革」はなすべき緊急課題である。「はじめに移転ありき!改革は後でやります」では、「はじめに税金投入! 制度改革・責任追求は後から」というコスモ・住専の二の舞である。国の性急な動きには組みしないという立場が、都議会首都機能移転調査会副会長としての基本的な主張である。

 最後に、東京都では昨年12月1日より、事業系ごみの全面有料化をスタートした。有料シール貼付率は2週間で84%に達し、ごみ減量に一定の効果が見られた。しかしシールの値段が高すぎるなどの指摘もあるので、予算議会でシール価格積算根拠を改めて確認していくつもりである。手数料が上がったのだから、サービスもよくなってしかるべき。
 ごみ収集を民間委託し、競争原理でコストを下げ、深夜収集・早朝収集のサービス向上を目指すべきと考える。
 この他、都議会文教委員長として、文教政策や、今大きな議題となっている「淫行処罰規定」を盛り込んだ東京都青少年健全育成条例改正の是非などに審議を尽くしている。
 「政治が政治であり続けるには、己れに向けられた国民の苛立ちや憤りに敏感でなければならない」――この思いを胸に七夕決戦に向け、頑張ります。

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山崎泰の論考

Thesis

Tai Yamazaki

山崎泰

第7期

山崎 泰

やまざき・たい

TFSコンサルティンググループ 代表/TFS国際税理士法人 理事長

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