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松下幸之助塾主を訪ねる旅

 11月10日から21日までの12日間の関西研修は質量ともに充実していた。とにかく盛りだくさんであり、区切りを付けずに書くことはとても出来ないので、以下大きく三つのパートに分け、記していきたい。第一に「松下幸之助塾主ゆかりの地を訪ねる」、第二に「三知事との懇談会」、第三に「伊勢神宮参拝」である(なお、三日間に渡った茶道研修については、別に独立した感想文を作成した)。

一. 松下幸之助塾主ゆかりの地を訪ねる

 関西研修最大の目的は、この部分松下幸之助塾主のゆかりの地を訪ね、建塾のルーツを辿ることにあったと思う。よって、ここに紙面の大半を割くこととしたい。

1.松下幸之助塾主墓参(和歌山県)

 見ただけでは塾主のお墓と気付かない様な派手さの無いお墓で意外であった。既にきれいなお花が供えられており、没してなお、こうして慕う人達が絶えないようだ。私も家業が電気工事業であり、幼い頃より父から塾主の伝記を聞かされており勝手に御縁を感じながら、さらに「生前に是非お会いしたかったなぁ」などと思いつつ、お参りさせていただいた。今回の研修の最大の目的を果たせて安堵した。いずれ迷った時には、改めて、一人で伺いたいと思っている。

2.PHP研究所 江口 克彦 副社長(京都市)

 松下幸之助塾主に長年お仕えした御経験から、様々なことをお教えいただいた。建塾に塾主とともに御尽力されたが、第一回面接に臨む前に塾主から「愛敬があって、運の強そうな奴を選んでくれや」と言われた逸話を話された。さらに塾生として「松下幸之助の切なる思いだけは、いつも心の底に置いて欲しい」というお言葉が心に残った。忘れられないお話が多かった。

3.松下電器産業株式会社 本社(大阪府門真市)

(1)松下正治名誉会長(松下政経塾 理事長)、松下正幸副会長
 理事長が、山形に生まれたが縁あって長州閥に入られ、ロシアに行く予定がプロシアに留学された実のお父上の人生のお話から、義父である松下幸之助塾主の教えを説かれ、大変に示唆を受けた。副会長は「世界でひとり生きていくことが出来ない日本」についてお話をされ、国の在り方を原点に返って考える必要性を再認識した。

(2)松下歴史館
 午前中だけで回ろうと思っていた自分が、浅薄だった。松下幸之助塾主の生涯について展示してあり、肉声あり、映像有りで、質量とも充実しており、一日かけても回り切れず。見終わってから「成功とは成功するまで続けることだ」という塾主のお言葉が自然に浮かんできた。改めて、訪問したいと考えている。

4.真々庵(京都府)

 塾主が自ら細かく指示した出来上がった庭園である。別天地の美しさに驚く。御説明いただくまで全く気付かなかったが、見えない大勢の職員さん方がこの庭園の美しさを維持されているそうである。

5.霊山歴史館(京都府)

 人々から忘れられ、荒れ果てていた維新の志士をお祀りする場所を、松下幸之助塾主が整備されたのがこの霊山である。木戸孝允などの顔写真や書簡の展示もあり、遠く偉大な維新の志士達を身近に感じさせた。

二.知事との懇談会

 三知事とも若手、改革の担い手とされている。知事との懇談について、同期の鳥飼広敬君(佐賀県庁より出向中)は、「とてもじゃないが、会えない人達と会っている」と言っていたが、まさにそのとおり。恵まれた機会に感謝しながら、懇談会に臨んだ。なお、事前研修で訪問県の現状を調査していたことが大変役に立った。

1.京都府 山田 啓二 知事
県庁の大組織を減点型から得点型に変える試みなど一連の改革に取り組まれていた。人間にレッテルを貼らず、中身を見よ、とのお話が特に印象に残った。
2.和歌山県 木村 良樹 知事
「リーダーたる者、自己利益を廃し捨て身で」、「市民自治を目指し、椅子にしがみつくことなかれ」と言われたことが印象深い。
3.三重県 北川 正恭 知事
大変失礼ながら今後の御自身の進路について質問し、軽くいなされ、全く太刀打ち出来なかった。この感想文を書いている時に、知事選三選不出馬のニュースが飛び込んできた。「小さなことから始める勇気、それを大河にする根気」という言葉が印象的。

三.伊勢神宮

 一般には入れない所まで入らせていただき、美しいお神楽を拝見させていただいた。講話では未来の政治家に対する期待が伝わってきた。

 日本を考えていくにあたり、日本の神話も満足に知らない自分に問題も感じた。今後の課題としたい。

○最後に

 余りに多くの事がありすぎて、未だ自分の中でも整理、消化出来ていない。逆に言えば、それだけ中身の濃い研修であった。一番の目的であった塾主の生まれ育った場所、仕事をされた場所、お墓を実際に見ることが出来、おそれ多いが、少し塾主に近付けた気もする。

 私は東京生まれの東京育ちで、これだけの長い期間、関西に滞在したのは初めての経験であった。京阪から紀伊半島、最後は名古屋に至る旅で、当たり前のことだが、日本は関東だけではないのだ、と実感した。また地方都市の街の様子を見、不況を始めて実感した。

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橘秀徳の活動報告

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橘秀徳

第23期

橘 秀徳

たちばな・ひでのり

日本充電インフラ株式会社 代表取締役

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