論考

Thesis

語学研修に関する報告

今月上旬より、中国北京市の西北部に位置する清華大学中国語言文学系に所属し、中国語の修得に励んでいます。中国語の修得が、中国を中心とするアジア地域が今後どのような時代を創っていくのか見極めようとする私の今後の活動において大変重要な要素であることを自覚し、研鑽の日々を送っています。

 しかし、如何せん日々の単調な努力がマスターのキーである語学であるからして、日々の授業の予習復習に追われる重要性は分かっていても、この歳になると楽しみよりも苦痛のほうを強く感じてしまいます。

われ、土日は休みです。授業内容は、「口語」「読写」「聴力」「報刊」の4科目です。授業レベルは、日常会話のできる中級生を対象としたものなので、まだまだ初級レベルの私にとっては特に4月上旬は何が何だかさっぱり分かりませんでした。最近やっと先生の説明が聞き取れるようになりましたが、早口で言われるとやはりまだ聞き取れません。という訳で、現在、「口語」の授業の先生に週3回補習をやってもらっています。火曜、水曜、金曜の夜7時から2時間です。

 その他、一般の生活面については、政経塾を離れている分だけ、規則正しさには常に気を配っています。起床は朝の5時。もう空は明るくなっています。起きたらまず部屋とトイレの清掃を行ないます。その後少し本を読んだ後、7時から校内をランニングします。7時半から朝食をとり、シャワーで汗を落とした後、少し休憩を挟んで授業の予習に取り掛かります。12時の昼食の後は、授業を受けて、終了後は、新聞を読んだり、同級生と談笑したりしています。ちなみに、現在中国における私の情報元は、ラジオと「チャイナデイリー」、「人民日報」、そして雑誌の「人民中国」、「北京週報」です。中国の情報はこれで随分入りますが、日本や世界の情報がかなり不足しています。その辺をどう補充しようか、現在思案中です。

 以上が現時点における日々の生活の様子ですが、問題は授業が午後のため、日中、語学研修以外の調査研究活動が行なえないという点です。土日を利用した時間のやり繰りで、如何にこれを克服するかが、今後の課題といえます。

(中国に居て思うところ)

 ここ清華大学にいて華僑の留学生と接する機会を持つことがあります。この触れ合いを通じて感じるのですが、現在、日本のマスコミで流行っている大中華論調(大陸中国と華僑が一緒になってアジア否世界を支配するという論調)よりも、彼らの国境を無視したグローバル性に着目し、そこに近未来の人間のあり方を見いだすという見方のほうが適切ではないでしょうか。

 また、話は変わりますが、今後のアジアの安定のためには中国の安定が欠かせません。中国が真に周辺諸国から信頼されそして尊敬される国になるためには、塾主の提唱された「観光立国(国土の美しさと人心の美しさの総合的実現)」的考えによる国創りという発想が必要なのではないでしょうか。日本はこの点に関し、如何に協力していけるのか、今後探って行きたいと考えています。中国の国際観光はまだ緒についたばかりです。下した腹の痛みに耐えつつ、1人、留学生楼の一室にて。

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高橋幸也の論考

Thesis

Koya Takahashi

高橋幸也

第15期

高橋 幸也

たかはし・こうや

Executive Vice President, Panasonic Energy of North America

Mission

企業経営、管理会計、ファイナンス、国際経済

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