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100km行軍を終えて

 24時間以内に100kmを歩く。テレビ番組ではおなじみの単純なことであっても、いざ自分が歩くとなると想像がつかなかった。100kmは途方もなく遠い距離に感じられる。東京からなら箱根、京都からなら関ヶ原、地元奥出雲からなら福山まで。具体的な距離のイメージを持つと余計に意気消沈する。

 100km行軍との出会いは昨年の秋、政経塾内定をもらった時に始まった。嬉しい気持ちでほとんど一杯なのであるが、一つのことが頭をよぎっていた。本当に100km歩けるだろうか。1年間ずっと頭から離れなかった。

 それほどに100km行軍は、私にとって大きな山場であり、関門だったのである。

 午前10時。とうとう100kmはスタートする。
開始9時間40km地点。まだ全体の5分の2しか歩いていないのに、強がってはいたが、次第に足はいうことを効かなくなり始めていた。しんどい、しんどい。何で100km歩かなくていけないんだろう。それからの30kmは地獄だった。もうやめたい、もうやめたい。そんなことばかりを考えていた。

 その気持ちが変わったのは、70km地点である。先輩や、職員の方々のサポートを受け、やっとのことながらようやく気持ちが吹っ切れた。こんなんもんもできなくて何が志だ、何が天下国家だと。自分自身の気持ちが吹っ切れると同時に、一緒に歩いている仲間をようやく認識でき、感謝協力の気持ちが沸いてきた。この仲間と一緒に絶対100km歩ききるのだ。

 スタートから22時間45分後の午前8時45分。黎明の鐘が鳴る中、たくさんの人々の応援の中、ゴール。

 100km行軍を通じて私は以下のことを強く実感した。
 1つは、成せば成るということである。どんな困難なことでも、一歩一歩前に踏み出せば、確実にゴールには向かっている。大事なことは歩みを止めずに、絶対に成し遂げるという気持ちを持つことである。
 もう1つは、仲間、同志のありがたさである。人間は、生きていく上でも、何かを成し遂げる上でも、決して一人ではやっていけないと思う。今回、100kmを歩く上で本当にたくさんの方々に支えられていること、一緒に行動する心強い同志が必要なことがわかった。であるのならば、自分を支えてくれる人々に感謝の心を持って、応援に応えなければならないし、また、一緒に歩んでいく同志を持って、切磋琢磨、励ましあい、生きていかなければならないと思う。

 松下政経塾が求められる資質として、志、徳・知・体がある。体なんて普通の人間なら誰でも大体基本的に備わっているものではないかと思っていた。しかし、それは、健康体であるから言えるのであって、限界に達した時からが、本当の体力であろう。いついかなる状況でも打ち勝てる強靭な肉体と胆力。

 100kmは 厳しく険し 道なれど あゆみとめるな あゆみとめるな
 これからも、どんな困難なことがあっても、ずっと前に一歩一歩あゆみ続けていきたい。
 そして、今回の100km行軍と同様、あゆみを助けてくださっている方々に感謝し、同志とともに志を成し遂げると改めて誓った。

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塔村俊介の活動報告

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Shunsuke Tomura

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第27期

塔村 俊介

とうむら・しゅんすけ

奥出雲町教育委員会 教育長

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