活動報告

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第一回関西研修レポート

 2005年6月6日から11日まで、主に塾主、松下幸之助氏の生い立ちと思想を追う一連の研修に出かけた。

 我々26期生は、残念ながら直に塾主からご講義いただくことは叶わない。講義において先生のお話や本の中、あるいはビデオで足跡を辿るのみ。どこか、想像上の人物のように感じていたところがあった。しかし今回、特に生前の塾主と行動を共にした人々の口から蘇る鮮やかな塾主の思い出、そして実際に塾主が生を営んだ場所を体感したことで、この世に実存していた方であることを妙に実感した。「あぁ、この人が政経塾を作ったんだな」と。そして興味が沸いた。塾主の何がそこまで人を惹きつけるのか?

 死後17年を経た今でも、関わった人々を虜にする塾主の魅力とは何か。実際に何人かの方々にお尋ねしたが、理屈的に頂いた回答としてはその素直さ、広く衆知を集める謙虚な姿勢、つまりどんな事項についてもあらゆる人の意見を聞いてそれを受け入れた姿勢というものであった。しかし、一番心に残ったのは塾主が生涯戸籍をおいたという、記念すべき事業開始の礎を築いた大開町で、塾主ゆかりの場所を用いた町おこしをなさっている方の回答であった。その方はまだ一工場であった松下電器で働いたことのある方であったが、塾主の魅力は何だかわからないと困った顔で仰る。そこで私が、「何だかわからないけど、惹きつけられる方だったんですね?」と申したところ、満面笑みを浮かべて大きく首肯された。

 途中、松坂の本居宣長記念館で宣長研究の第一人者である吉田先生からご講義頂く機会を得た。また戦前は官僚や海軍の精神修行の場でもあったという修養団に宿泊し、代表の中山先生のご講義、そして伊勢神宮で説明を受ける機会も得た。ここ政経塾の塾是・塾訓に流れる思想の源流を見つけた気がした。殊に、伊勢神宮で期を代表して神前に進み出てお祈りさせていただいた時、雨降りしきる中跪き祈りを捧げた瞬間、得も言えぬ感覚に包まれた。日本とは、日本人とは?塾生が求められている「日本の」リーダーたることの意義、そして日本の歴史の本流に身を置いていることを実感した。

 今回、あらゆる場所で様々なご厚意とご配慮を頂いた。塾生という肩書きを持っているとは言え、本来そのような遇され方をしていただけるような立場の人間ではない。便宜を図って下さった方々に心より感謝申し上げると共に、その事実を深く噛み締め、塾主より頂いた松下政経塾での三年間を有意義なものとすべく、自らを高めるために、仲間と共に精進していきたい。

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風間法子の活動報告

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Noriko Kazama

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第26期

風間 法子

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