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100キロ行軍感想

日時・・・ 2004年9月30日(木)午前10時 ~ 10月1日(金)午前10時
天候・・・ 晴れ

コース・・・
【スタート】松下政経塾内一周 → 片瀬江ノ島駅 → 稲村ガ崎駅→ 由比ガ浜 → 逗子駅 → 横須賀駅 → 三浦半島一周 → 逗子駅  → 由比ガ浜 → 稲村ガ崎駅 → 片瀬江ノ島駅 →【ゴール】松下政経塾 の100km工程

タイム・・・23時間23分
その他・・・使用シューズ
アシックス:GEL-1090/0150【asics running】+ STEP IN -PLIS

 100キロ行軍は、塾設立時に日本体育大学の平野仁先生が考案されたものであり、24時間以内で100kmを歩く、という政経塾に代々受け継がれる研修の一つである。

 塾生3-4人がひとつの班となり、互いに役割分担・協力をしながら完歩を達成する。班内の一員がひとりでもリタイアした場合、次年度も班内全員が再度100kmに臨む、というルールが課されていることから、団体戦のプログラムであるともいえる。

 なぜ、100kmを歩くのか。その目的と私が感じたことを3点述べたいと思う。

 第一に、松下政経塾には五誓(素志貫徹の事・自主自立の事・万事研修の事・先駆開拓の事・感謝協力の事)がある。その中で松下幸之助塾主が最も塾生に求めたこと、〝感謝協力の精神〟を実践することである。24時間で100kmを歩くということは、体力的にも精神的にも辛いことである。その中で、苦しいこそ笑って対処し、自分だけではなく仲間を気づかい、仲間の目標も同時に達成すること、その過程を実証することである。

 第二に、実際に100kmを体感することで土地の距離・自分なりのものさしを体内に身につけることである。例えば、天災などにより交通機関が機能しなくなった場合、現在地から目的地までたどり着くには徒歩しかない場合が多い。100kmを完歩した今では、50km先100km先の土地でも、一日で目的地に救援物資を届けることができる、という選択もうまれてくるだろう。また、時間をかけて歩くことは、いままで自分が目にしていながら見過ごしてきたものを発見することができる。24時間起きて移動しているのであるから、時間ごとに移り変わる町の風景を目にする。早朝の運輸業者の方々、ジョギングをしている地元も方々に始まり、昼間にはビジネス街ショッピング街に集う人々、帰宅途中の学生、海岸で海水浴を楽しむ人々、夕方には街灯の位置や、静かな海、深夜には道路工事に従事する人々、コンビニエンスストアに集う若者たち、体力を消耗する歩道の段差など、街の景観やひいては日本の国土のあり方を考えるものとなる。

 第三に、〝真の〟塾生に近づくこと、である。今年は、塾が設立されて25周年を迎え、卒業生は200名を越える。設立当初は、塾生の研修・講座内容も確立されていなかった。現在のように政界経済界で活躍する先輩もおらず、なにもかも手探りの状況であった。唯一、1期生から私たち25期生まで一貫して受け継がれているプログラムがこの100km行軍である。様々なエピソードと共に語り継がれ、卒塾生と現役塾生をつなぐ共有体験であるといえる。100kmを歩きながら、私は、先輩方がこの苦しさをどのように感じどのように歩かれていったのかと考えていた。坂道あり潮風あり向かい風あり、日が出ている間は順調に進んでいくが、深夜になると真っ暗な道を不安になりながら一歩一歩足を運ぶのが精一杯。深夜の寒さに震え、何のために歩いているのか、この先に何が待っているのか、自分がどこにいるのか、分からなくなることもある。リタイアするという選択肢は全くなかった。〝前へ進むのを止めること〟が怖かった。これは、まさに、人生と同じである。200人もの先輩方が歩んでいかれた道である。同じプログラムを実行しているという共感は、志を持って人類の繁栄幸福と世界の平和に貢献するという道を歩いている、というものに変わっていった。歩き方、ペース配分、通過地点は異なっても、皆協力してゴールに向かう。改めて松下政経塾の塾生の意味を考えた。

 最後に、100kmを完歩するにあたり、同じ班となりリーダーとして指揮をし、深夜懐中電灯でずっと皆の足元を照らし安全確保をしていた内田塾生、タイムキーパー役としてペースを管理していた林田塾生、ペース配分を調整し班内の志気をあげていた榎本浩之研修担当に感謝したい。バラバラに歩く班もあったが、私たちの班は、唯一出発からゴールまで一団となって歩めたことが良かった。また、23時間20分でゴールするという目標に、3分のズレがあったものの、計画通りにレースを展開できたことが嬉しい。

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