論考

Thesis

コラム ~フロンティア市長~

昨年9月17日、多久市長に就任した。政経塾からは2人目の市長である。佐賀県内では最年少(41歳)、九州でも2番目に若い。「創造」「挑戦」「透明化」を基本に、新時代の市政づくりに取り組んでいる。
 早起きと掃除―選挙中、「当選したら何をしたいか」と尋ねられて答えたのがこれ。初登庁前、支持者と市役所周辺を清掃した。掃除からいろいろなことが見えてきた。
 名刺作戦―肩書きと名前だけの名刺をやめた。住所、電話番号、FAX番号を明記し、市長にすぐに連絡できるようにした。また地元にある孔子廟の写真入りの名刺も作った。これは市外の人には話の糸口となって便利だ。

 市民はお客様―市議会の初日、早めに議会棟に行き、傍聴席、階段、通路、トイレを確認した。トイレではロール紙が不足ぎみだったので自分で交換。入口の段差を計り車椅子が使えるかチェック。約1.5センチなので及第とする。
 カウンター革命―これは職員の発案だが、市民利用が最も多い市民課窓口の記入コーナーに椅子を置いた。窓口カウンターの高さも低くして使いやすいと年配者に好評。
 さよなら「以下同文」―以前から気になっていたのが、表彰の際の「以下同文」。役所内部の通達以外では「以下同文」は廃止した。
 走る市長―秋の運動会シーズンは、スポーツウエアとスポーツシューズで通し、いろいろな競技に参加した。一般男子100㍍ではなんとか3位に入賞し、若い市長の面目躍如なり。
 劇参加―多久まつりの市民劇場、創作劇の練習にはできる限り応援参加、ついには本番でチョイ役出演した。
 トップセールス―選挙でも市長はトップセールスマンと訴えたので、着任1カ月以内に関東・関西へ出かけてセールス。企業誘致関連情報があれば積極的に動き、速やかな対応とお願いに奔走している。
 傍聴者3倍増―着任1週間後には市議会9月議会が開会した。一般質問は史上最多の15人、質疑応答には2時間の人も。おかげで傍聴者が増え、6月議会の36人に比べ110人に増加した。中には市外の地方議員までいた。
 悪いこと教えて―市長室への来訪者も多い。スケジュールの都合で会えない人もいて申し訳ないが、会えた方には良い話でなく悪い話をとお願いする。苦言、提言なんでも耳を傾ける市政を実現したい。

 脱・他所と同じ―県と同程度に、国の基準レベルで、それで問題ないかもしれないが市民中心にはならない。市民が望むものを中心に考えるように担当課に求めている。
 これからも先駆開拓の精神で行く。


横尾俊彦/松下政経塾第1期生 佐賀県多久市長 Tel0952-75-2111 Fax0952-75-2110)

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横尾俊彦の論考

Thesis

Toshihiko Yoko

横尾俊彦

第1期

横尾 俊彦

よこお・としひこ

佐賀県多久市長/無所属

Mission

自治体経営、行政イノベーション、人間学 共通番号による行政刷新

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